映画 スイス・アーミーマン※ネタバレあり
無人島で出会った死体との交流を描いた奇想天外コメディ
あらすじ
「ハリー・ポッター」シリーズのダニエル・ラドクリフが死体役を演じ、「リトル・ミス・サンシャイン」「ラブ&マーシー 終わらないメロディー」などで知られるポール・ダノ扮する青年が、死体を使って無人島からの脱出を試みる様を描いた異色のサバイバルコメディ。
遭難して無人島に漂着した青年ハンクは、絶望して命を断とうとしたとき、波打ち際に男の死体が打ち上げられているのを発見し、奇妙な関係性を築いていくというなかなか狂気なストーリー。主人公は死体の超人的な使い道に気づき、島からの脱出を図ります。死体からはガスが出ており、浮力があることに気付いたハンクは意を決し、死体にまたがり無人島脱出を試みるが……。
感想
★★★
発想が凄い、面白かった!
まず、あらすじ読んでも、なんのこっちゃって感じですし、死体との交流ってなに?みたいな。それを解き明かすとすべてのネタバレになってしまうのですが、設定がとにかく面白かったです。
死体なのに喋る!!
主人公ハンクは、無人島で命を絶とうとした時に、波に打ちひしがれてる死体のメニーと出会います。しかしこの死体凄いんです。
体内にたまった腐敗ガスの影響で、おならをしまくるんです。「死体がこんなにおならしてるよ!!」て 笑
で、そのおならのガスを原動力にして、ジェットスキーのようにして無人島を脱出するんですよ。 映画のポスターは本編でも使われていたとは。しかもこのシーンでタイトルバックが出る演出なのですが、ここで心掴まれました。(馬鹿げてるけどなんだこのワクワク感は!これから何が始まるんだ!)
このあとも、メニーは喋るし、水を身体に溜めてシャワー代わりになったり、髭剃りの機能も果たしたり…多機能な死体なんです。
ハンクにとってメニーの存在とは
主人公のハンクと死体のメニーとの交流が軸に描かれていますが、メニーは会話の最中に下ネタを連発します。デリカシーがない、恥ずかしい、とハンクはメニーに対して抱きますが、メニーと行動を共にするうちに徐々に変化が生まれます。
ハンクは、現実社会で生きにくさを感じていた。自身のコンプレックスから、自分の居場所を、存在意義を見いだせないハンクにとって、常識にもモラルにも囚われないメニーの存在をがハンスに生きやすさをもたらすのです。最高の相棒を得たことによって、人生の楽しさを教えてくれたのです。
ラスト、感慨深い
このファンタジーに潜む現実をどうやって締めくくるのか。ラストどうなるのかと思っていましたが、かなり良いラストでした!
二人は文明社会に戻ることができます。
でもファンタジーの魔法は現実によって解けてしまうのです。メニーは本当の死体となり、動かなくなり喋らなくなります。
メニーとの交流で常識やモラル、世間の目から解き放たれたハンクですが、また現実を突きつけられるのです。あんなに戻りたかった文明社会だったのに、ハンスはそれを受け入れることができず、また2人の世界に戻ろうとするのです。もう今までの彼とは違います。そして最後メニーとの別れのシーンは……ジーンときますがクスッと笑っちゃいました。メニーらしい、良いラスト。スイスアーミーマンの世界観は崩れることなく、ほっこりする作品でした。
ダニエルラドクリフ×ポールダノのコンビ最高でした。
追記
私が川沿いを知り合いと散歩した時のこと。人通りが少なく、静かで、自然があって、開放感がありました。その時間はリラックスしていて、人目を気にせずバカやったり、自分の素が出ていました。
目的地に近づいて、駅が近づいてきて、人が多くなって、賑わい、都会になった時、急に我にかえった感覚になりました。仮面を被る、よそよそしくなった感じになるという気分でしょうか。「現実世界に戻ってしまった…」「これが個性を失うという事か…」と呟いたと同時に、スイス・アーミーマンを思い出した私であった。
映画 ドリーム ※ネタバレあり
夢を諦めない女性たちの、勇気と感動の実話
あらすじ
1962年に米国人として初めて地球周回軌道を飛行した宇宙飛行士ジョン・グレンの功績を影で支えた、NASAの3人の黒人系女性スタッフ、キャサリン・ジョンソン、ドロシー・ボーン、メアリー・ジャクソンの知られざる物語を描いたドラマ。ソ連とアメリカの宇宙開発競争が繰り広げられていた61年、米バージニア州ハンプトンにあるNASAのラングレー研究所に、ロケットの打ち上げに必要不可欠な計算を行う黒人女性グループがいた。なかでも天才的な数学の才能をもつキャサリンは、宇宙特別研究本部の計算係に抜てきされるが、白人男性ばかりのオフィス環境は、キャサリンにとって決して心地よいものではなかった。一方、ドロシーとメアリーもそれぞれ、黒人であるというだけで理不尽な境遇に立たされるが、それでも3人はひたむきに夢を追い続け、やがてNASAの歴史的な偉業に携わることとなる。
感想
★★★★
この実話に勇気をもらいました。
様々な困難が立ちはだかろうとも仲間と共に夢を諦めない姿。主人公達の勇気ある行動に胸を打たれました。
主人公達の試練
当時、依然として白人と有色人種の分離政策が行われていた時代で、白人と非白人で分けられた様々な弊害が彼女達を苦しめます。
もちろんトイレもその一つ。
特に印象的なのが、主人公キャサリンが、職場でトイレをするために、往復1.6キロ、40分かけて行くシーン。近くにあるトイレは白人用しかなく、非白人用のトイレは遠くにあるため、時には大雨に見舞われながらもキャサリンは全力疾走します。
この状況どうにかしてほしい!!
職場のコーヒーも白人用と非白人用に分けられる始末。しかも非白人用のポットには一ミリもお湯は入っておらず…。
こんないじめだ!て気持ち悪くなるほどの憤りを感じても、当時は国がそれを認めていた。そういう時代。今じゃ考えられないが、そういう教育を受けてそれを受け入れることが当たり前だった。
それでもひたむきに生きるキャサリン達をずっと応援していました。
人種差別なんかしてるから有能な人たちの才能を見出せず、ソ連に先越されたんだぞ!とか鑑賞しながら内心怒り心頭してました。
主演3人がNASAでそれぞれの地位を確立していく姿
キャサリン・ジョンソンの場合まずキャサリンは、直属の上司に恵まれていましまね。その間に入ってる野郎が中々頭固くてイライラしましたが、その上司はキャサリンの才能をかってくれたし、トイレ問題やコーヒー問題を解決してくれましたね。
計算係の枠を超えて、キャサリンはNASAに貢献していくのですが、宇宙特別研究本部での仕事も新たな計算機械、IBM登場により元の部署に戻ることになります。
ドロシー・ボーンの場合ドロシーは管理職の道を進もうとしていましたが、上司に問いただしても、気にも止めてくれませんでした。やがてIBMが導入されることになり、彼女達の仕事がなくなるピンチにもドロシーはチャンスに変えてやってのけます。時代の変化を察知して先を見通す、新しいしことを勉強するドロシーのひたむきさ、また自分だけではなく仲間達の事も考えながら行動する彼女の素晴らしいところでした。
メアリー・ジャクソンの場合メアリーははエンジニアを志しているが、黒人である自分には叶わぬ夢だと半ば諦めていた。上司の勧めでエンジニアを目指すことを決意しますが、それに必要な資格が白人しか通えない高校でしか取れないという事実を知る。
普通なら諦めてしまいます。法がそう定めているなら絶対無理だと。しかし彼女は法律を変えるために立ち向かうのです。「前例がないなら私が作る」と。
強すぎる!不可能な事って自らが決めてしまうことが多くて自分自身で可能性を狭めてしまっているんだと本当思います。社会や時代の所為にしがちですが、彼女達を見ていると本当に恥ずかしくなる。もっと頑張ろうと勇気をもらいました。
人種は関係ない、機械には負けない
ラスト、ロケット発射前に宇宙飛行士のから、キャサリンが計算して間違ってなければ飛ぶという発言により急遽キャサリンが計算をする。そして、は言うのです。機械より人間の方が安心できると。
いいセリフです。
彼にとってキャサリンは、有能で信頼できる人物なのです。人種や機械の壁を超えるキャサリンの技術の賜物です。
久々にど直球の良いヒューマン映画を観ました。邦題の「ドリーム」私は好きです。彼女達の夢そのものが映画に反映されていたから。
映画 ダンケルク※ネタバレあり
クリストファー・ノーラン監督、初の実話に挑んだ、兵士たちの決死の戦い描いた作品。
あらすじ
1940年、連合軍の兵士40万人が、ドイツ軍によってドーバー海峡に面したフランス北端の港町ダンケルクに追い詰められる。ドイツ軍の猛攻にさらされる中、トミー(フィオン・ホワイトヘッド)ら若い兵士たちは生き延びようとさまざまな策を講じる。一方のイギリスでは民間船も動員した救出作戦が始動し、民間船の船長ミスター・ドーソン(マーク・ライランス)は息子らと一緒にダンケルクへ向かうことを決意。さらにイギリス空軍パイロットのファリア(トム・ハーディ)が、数的に不利ながらも出撃する。
感想
★★★
ノーラン監督、お見事です!!
あっという間に終わってしまいました。
映画だけどまるでドキュメントを観ているよう
起承転結はありませんよ。初っ端から危機迫る展開、いや、ずっと危機迫る展開。で、あっという間に一気にクライマックスへ突入してまるでアトラクションに乗っていたかのような体験。
ノーラン式、時間軸健在
ダンケルクに取り残された兵士たちを助けるという一つの目的を軸に、3つのストーリーが同時進行で進みます。次から次へと迫る生死との瀬戸際にハラハラドキドキしながら、3つのストーリーの時間軸が重なるラストはもう素晴らしい!!の一言。さすがノーラン監督でした。
ストーリーを特に深掘りする感想はありません。
ただただ、必死に生き抜こうとする人たち、必死に助けようとする人たちが織りなす最高のエンターテイメントでした。
敢えて掘るとしたら、素晴らしくイケメンな英国俳優さん達が沢山出演しているということと、印象に残る音楽(BGM)達ですかね。
本作の主人公、トミー役のフィオン・ホワイトヘッドをはじめ、、若い俳優さんたちがとてもフレッシュ。最高英国俳優さん。
何と言ってもトムハーディ。
もう只々かっこよかった。はぁ…いけめん。
トムハでこの役はずるいですね。鑑賞後、一言目に「トムハかっこよかった」と言っていた男性の方に完全同意でした。
ノーラン監督常連ですね。
そしてもう一方、ノーラン監督常連のキリアンマーフィ。
安定の、クセの強さですわ。このダンケルクでさえ。さすがです。その存在感はどんな作品にも映えます。
「映画を観たより映画を体感した」ダンケルクでした。
映画「ベイビードライバー」※ネタバレあり
アクションエンタテインメント
あらすじ
天才的なドラインビングテクニックで犯罪者の逃走を手助けする「逃がし屋」をしているベイビー。子どもの頃の事故の後遺症で耳鳴りに悩まされているが、音楽によって外界から遮断さえることで耳鳴りが消え、驚くべき運転能力を発揮することができる。そのため、こだわりのプレイリストが揃ったiPodが仕事の必需品だった。ある日、運命の女性デボラと出会ったベイビーは、逃がし屋から足を洗うことを決めるが、ベイビーの才能を惜しむ犯罪組織のボスに脅され、無謀な強盗に手を貸すことになる。
感想
★★★
かかかっこいい!!!なんじゃこの最高にお洒落でイケてるムービーは。
なんで劇場数少ないんでしょうか…この映画を沢山の人に観て欲しい。
「カーチェイス×音楽」の新ジャンル映画
主人公のiPodから流れる音楽に乗せて繰り広げられるカーチェイスやアクションシーン凄まじかったです。また日常パートも音楽に合わせてテンポよく進むので観てて飽きません。
かっこいいミュージックビデオを観ているかのようでした。
キャラクターはみんな個性豊か(ヤバい奴らでした)
本作の主人公、通称ベイビー。
音楽好きで心優しい寡黙な青年。そしてドライビングテクニックが天才的。あらカッコいいじゃないですか。
訳あって犯罪者の手助けをしていることが彼を苦しめます。まぁ後半ベイビーは取り返しのつかないことをしでかしまくりますが。愛の力ってやつですかね…。(ちなみに今回は一番ヤバいやつ認定。)
本作のヒロイン、デボラ可愛いです。キュートです。でも意外と度胸あります。これも愛の力か…。
最後まで性格が読めなかったボス
本当読めないのよ、ラストの彼の行動。そして彼の甥っ子も可愛い顔して中々のヤバい性格してましたね。
典型的なヤバいやつ
こいつはヤバいやつだけど今回は何も悪くない。
最終的にやばかった奴
こいつも悪くない。可哀想よ、ジョン・ハムさん。もう覚えたよ、ジョン・ハムめちゃくちゃ良かったよ!!!
全てはベイビーのせい。
お洒落×格好良すぎるアクション
前半は「オシャレなティーン映画」という感じで、主人公の天才的なドライビングさばきを堪能し、また恋愛パートではヒロインとの距離が縮まったり、青春してます。
しかし、後半怒涛の「キングスマン!!」ヤバい奴らが銃をぶっ放して、主人公も暴走し、後戻りは出来ない展開に 笑
そして何と言ってもカーチェイスの戦闘シーンは見応えありましたね。もう次々とヤバいことが起こるから一瞬たりとも見逃せませんよ。
「こんな映画だったのね!最高じゃないか〜!!!!」
映画「ジュマンジ」※ネタバレあり
あらすじ
ボードに浮かび上がった指示通りの事が現実となってしまう呪われたゲーム“ジュマンジ”をめぐるパニック・ファンタジー。100年前に封印された奇妙なボードゲームを手に入れた少年アランは友だちのサリーとゲームを始める。だが、ボードのメッセージ通りの事が起きた上、アランはどこかに消えてしまった。それから26年後、売りに出されていた屋敷に移り住んできた幼い姉弟ジョディとピーターは屋根裏部屋でそのゲーム“ジュマンジ”を発見する…。
感想
★★★
アメリカのファミリー映画×ロビンウィリアムズ間違いないです。
ハラハラドキドキ、笑えて最後はほっこりする
ホームアローンやミクロキッズ、グーニーズのような子どもが活躍するファミリー映画と雰囲気が似てるなと思いました。
何と言ってもロビンウィリアムズ
ロビンウィリアムズは大人になったアランを演じています。幼少期にたまたま見つけたジュマンジというボードゲームを始めた事により、彼は26年間ジュマンジのゲームの世界に閉じ込められてしまいます。それから26年後、たまたまジュマンジのゲームを再開させてしまった幼い姉弟ジョディとピーターによって、アランは現実世界に戻って来れたのですが、その初当時シーン、笑っちゃいました。
かなり野蛮人のビジュアルで登場します。
26年もの間ジャングル(ジュマンジの世界)にいたので野生動物並みの運動神経です。
ジュマンジといえばこのシーン。
このシーンは有名だったので鑑賞前から知っていました。そしてこのあとロビンウィリアムズの顔の上に普通にジュマンジを乗せる。
!!!!!笑
サイコロを振ると起こる数々の試練
ジュマンジのゲームは、凶暴な虫や植物、動物、ジャングル時代からアランを付け狙っていた「バン・ベルト」が姿を現したり、ワニを引き連れたモンスーンまで起こる始末。そして街中に放たれた奴らで街は大混乱。次から次へと起こるとんでもない展開にハラハラしながらもクスッと笑えたり、当時のCGでも迫力満点で見応えありです。
ジュマンジによって訪れた幸福(親子関係の修復)
様々な試練を乗り越えて4人はゲームをクリアします。ジュマンジのゲームが終了したことにより、アランとサリーは26年前に戻ることができました。そしてすれ違っていたアランと父親が和解。面白かったのが、アランの父親役とアランがジャングル時代から追い狙うヴァンペルト役が同じ役者さんであったということ。ジュマンジでの戦いでアランが父を乗り越えていく演出がまた面白い。
ジュマンジによって訪れた幸福(ジョディとピーター)
ジョディとピーターは両親をスキー旅行の交通事故で亡くしていますが、アランとサリーが26年前に戻ることが出来たお陰で、(この時点でもちろんジョディとピーターは生まれていません)それから26年後、2人と両親が生きている時代に再会をし、両親がスキーに行くのを止めて未来を変えることができました。
両親「2人でスキーに行くんですよ」
アラン・サリー「NO!!!!!!!!!」
止め方全力。
ちなみに本作のキャッチコピーは「死にたくなかったら、ゲームを続けるしかない。」とホラー映画かってぐらい恐ろしいですが、怖くはありません。勿論リアルに起こったらホラーです。
大人も楽しめるTHEアメリカのホームコメディ映画でした。
来年続編?やりますね。
映画「銀魂」※ネタバレあり
感想
★★★
まぁー笑った笑った。あっという間でした。そして佐藤二郎さんは相変わらず最高でしたよ。
福田監督×銀魂
銀魂の世界観はありつつも、福田監督の演出も光る。つまり、銀魂の笑いと福田監督の笑いの相性が良いんですかね。(特にパロディをすぐ使っちゃったり乗っかっちゃう所が。)
意外と笑いとアクションが五分五分
コメディ要素強いかと思いきや、意外とシリアスありました。見応えあるカッコいいアクション多し!(監督予算注ぎ込みましたね)
そして神楽やっぱ強ええ…。
個人的には物足りなかったです。ギャグ回のみを是非作って欲しいぐらい。
何故かアクション担当の神楽×また子と対比するかのような、笑い担当の新八× 変平太という構図でした。本来は鬼兵隊VS万事屋の戦いのシーンなんですよ。銀時×人斬り似蔵、神楽×また子が戦っている中、新八× 変平太はただ会話してるだけ。むしろただの菅田将暉と佐藤二朗だからな。実際撮影もアクション2チームが1〜2日かかってる中、吉牛コンビは7分で終わったらしいぞ)
桂もギャグ入るとかなり変人なんだけど、本作ではまともなイケメンキャラだったな…。
好きなお笑いシーン
⚫︎エリザベス着ぐるみ感拭えない全シーン
⚫︎風の谷のナ○○カでちゃうシーン
⚫︎佐藤二郎×菅田将暉の絡み
⚫︎新八顔芸
⚫︎おぐしゅんの歌
⚫︎オレオレ詐欺する新八
そもそも銀魂、アニメのギャグ回はよく視聴していましたが、今回の紅桜編はみてないので原作と比較しようがなく、映画だけの感想になってます。
とりあえず続編作って欲しいなー。
映画 カーズ/クロスロード※ネタバレあり
夢の続きか?新しい道か?人生の選択が迫られる。
あらすじ
これまで華々しく第一線で走り続けてきたマックィーンもベテランとなり最新型のレーサーに勝てない時代遅れのレーサーに…。
そんな状況に焦ったマックィーンはレース中に無理をして大きなクラッシュ事故に会ってしまい、世間からも見放され自信喪失してしまいます。彼の脳裏には、この時すでに「引退」の2文字が─。
感想
★★★★★
カーズ/クロスロード。そう来たか!!!!の一言。
ピクサーの本気をみた。そしてマックィーンとドックの師弟関係に、涙なしでは見れませんでした。
まさにマックィーンの“人生の岐路(クロスロード)”を描いた本作
マックィーンがレース中にクラッシュ事故を起こしてしまい、リハビリに奮闘するのかと思いきや、そこはあっさりと過ぎ4ヶ月で元気になります 笑
むしろ問題なのは、マックィーンがベテランになり、最新型の若手のレーサーには勝てないという事実を突きつけられたことです。
スポーツ選手の短命とはまさにこのことですよね。マックィーンも世代交代という、時代の流れがやってきてしまった。それを描くピクサー凄いですわ。さすがです。とりあえず、そこで人生の岐路に立たされるマックィーン。
本作のキーパーソン、クルーズ
クルーズはマックィーンの再生プロジェクトなる特訓のトレーナーとして登場します。はじめハイテンションキャラで、(ファインディング・ニモのドリーのような)盛り上げキャラかしら…なーんて思っていたら大間違いでした!
中々特訓が上手くいかないマックィーンになぐさめの言葉をかけたクルーズですが、「トレーナーにはレーサーの気持ちなんかわからない」と言われてしまいます。その時にクルーズは言うのです。「私は最初からトレーナーになりたかった訳じゃない」と。
ああ…そうだよね。クルーズの挫折はもっと前にあって、レーサーになる夢を諦めていたのです。
マックィーンとドックの師弟関係に涙
カーズ1でマックィーンの成長には欠かせないドックとの出逢いですが、本作では2人の関係や思い出も描かれますし、またドックのかつての師匠、スモーキーも登場します。
特にドックとマックィーンの回想シーンは目頭が熱くなりました。ドックはレース中のクラッシュ事故で現役を引退せざるおえなかった過去があり、その出来事がドックに心的外傷を負わせていた。しかしマックィーンと出逢い、彼を育てていくうちに、生きる意味を見出します。自分の事よりもマックィーンの成功を何よりも願い、喜び、誇りに思っていた。そしてそのドックの想いをスモーキーから聞いたマックィーンは大事なことに気づかされるのです。
マックィーンが選んだ道とは
どういう結末を迎えるのか気になっていました。
最新型のレーサーが参入し、マックィーンの戦友たちがどんどん引退する中、自分(マックィーン)は努力をすればまた返り咲きできると奮闘します。でも最高潮の時にやめるのがかっこいい引き際であると私個人は思っているので、次世代が新たな時代を作り始めている今、マックィーンは引き際を誤ったのではないかと正直思っていました。
仮に努力の甲斐あって1レース勝ったとしても、この先それが続くかわからないし、一時のヒーロー物語で終わってしまうのではないかと。本作の着地はどうなるんだろうと、ハラハラして鑑賞していました。
でも、そんな心配無用でしたね。
そうきたか!!!!と笑
マックィーンは再起をかけたレースの途中で、ピットインし、クルーズにあとのレースを任せるのです。(そんなことが出来るのは驚きでしたが)
特訓を共にする中で、クルーズのレーサーとしての才能に気づいたマックィーンは、彼女に走らせることを決意する。このレースでマックィーンは優勝しなければ引退させられるので、彼女をレースに出場させてあげるチャンスも失うかもしれないと思い、彼女の才能のためにレースを託します。
まさにこの行動がマックィーンの選んだ道なんだ、と気づいた時は鳥肌ものでした。マックィーンは新たな道に進んだのです。かつてのドックのように。
自分の想いを託せる相手がいること
自身の子供だったり、愛する人であったり、本作では弟子であったり、人は自分の成功より誰かの成功を願うことで、人間として成長しますよね。またそんな存在がいることはとても幸せなことですよね。
マックィーンもそれに気づいた。彼はまた一つ成長した。マックィーンにとってドックの存在って本当大きいなぁ。
(ただ本作、サリーとの関係が若干薄くて残念でした。サリーのことも大事にしてやれよ。)
あとカーズといえばレースシーン。走ってる姿かっこいいです。特にラストのクルーズの走り、見応えあり!
風景もとても綺麗で惚れ惚れしました。