matsuko diary

映画感想ブログ

映画「シェイプ・オブ・ウォーター」※ネタバレあり

切なくも愛おしい 愛の物語f:id:osugi923:20180321155949j:image

あらすじ

1962年、冷戦下のアメリカ。政府の極秘研究所で清掃員として働く女性イライザは、研究所内に密かに運び込まれた不思議な生き物を目撃する。イライザはアマゾンで神のように崇拝されていたという“彼”に心を奪われ、こっそり会いに行くように。声が出せないイライザだったが、“彼”とのコミュニケーションに言葉は不要で、2人は少しずつ心を通わせていく。そんな矢先、イライザは“彼”が実験の犠牲になることを知る。

 

感想

★★★★

ギレルモ風、ラブストーリー。ハラハラしながらもラストの着地は良かったです。f:id:osugi923:20180321160120j:image

 

マイノリティな登場人物たち
イライザは声が出せない、イライザの隣人ジャイルズはゲイ、イライザの仕事仲間のゼルダは黒人女性。そして3人は謎の生物を助けるために、マジョリティ(マジョリティの仮面を被った怪物なんですがね)と戦うのです。f:id:osugi923:20180321160032j:image

時代設定からも、人種差別、性差別が激しくマイノリティが生きにくい時代。
「彼を助けないなら、私たちも人間じゃない」というセリフは、ぐっときました。f:id:osugi923:20180321160017j:imagef:id:osugi923:20180321160020j:image

 

イライザの恋

謎の生物に恋するイライザ。「彼は不完全な私ではなく、ありのままの私をみてくれる」「あなたは知らないでしょう、私がどれほどあなたを愛しているのか」イライザが謎の生物に恋する感情がしっかりと表現されています。ああ、これはラブストーリーなんだと実感しました。そして愛することは幸せであると同時に孤独であることがしっかり描かれている、大人のラブストーリーですね。

 

 

謎の生物の正体とは

半魚人のような謎の生物ですが、個人的にはとても受け入れやすかったです。綺麗なスタイルだなぁと思いました。ギレルモ監督なので逆に構えてしまいましたが…もっとイカしたビジュアルかと思うじゃないですか 笑
そして彼は神に近い存在でしたね。傷を治したり、髪の毛を生えさせたりする描写がありましたが、死んだものをすぐに再生できるとは。神の能力ですよ。f:id:osugi923:20180321160224j:image

 

怪演、マイケル・シャノン

f:id:osugi923:20180321160304j:image久々にパンズラビリンスの将軍が暴走するシーン「うわ、うわ、ぎょえ〜」(目を逸らしたくなる)という感情を思い出しました。勿論マイケル・シャノン演じるストリックランドのシーンです。今回の悪役ポジションですが、怪演、狂気、人間の皮を被った怪物、とにかく怖いです。

今の地位からの転落が危ぶまれた時、彼の暴走は止まりません。その彼も駒の一つにしかすぎないのですが。実質、彼の上司に追い詰めるわけで、その上司も悪いやつですが、表面化はされないですよね。世の中闇ですよ。

 

ラストはギレルモ風ハッピーエンド

監督は怪物とか不思議な生物が大好きじゃないですか。そんな生物と人間のラブストーリーを描きたいとおっしゃっていましたよね。そしたら絶対ハッピーエンドにしてくれるはずた!という想いを胸に鑑賞した訳ですよ。(一応バッドエンドでも大丈夫な様に程々の期待で)

そしたら最終的には、悪役はやられますし、主人公のお友達たちは死なずに済みましたし、主人公たちは晴れて結ばれて一緒になりました。めでたしめでたしではないか。f:id:osugi923:20180321160338j:image

 

しかしモノローグで語られた、「愛と喪失の物語」の“喪失”を意味するものがはっきりとわかりませんでした。ん〜それを教えてくれれば見方が変わるかもしれないのですが、わからないのでこれにてハッピーエンドという事にしておきました。f:id:osugi923:20180321160010j:image

 

映画 「スターウォーズ/最後のジェダイ」 ※ネタバレあり

スターウォーズシリーズⅧ。ルーク・スカイウォーカーの今、レジススタンスの未来は―     f:id:osugi923:20171227114727j:image

あらすじ

遠い昔、はるか彼方の銀河系で…。

銀河帝国軍の残党ファースト・オーダーと新共和国のレイア・オーガナ将軍が率いる私設軍隊レジスタンスの戦闘が激化。行方が分からなくなっていた伝説のジェダイルーク・スカイウォーカーが発見され、戦況が好転するかに思われたが、予想以上に攻撃が激しいファースト・オーダーにレジスタンスの戦士たちは押されていた。

 

 感想

★★★★

楽しかった!!!

(スターウォーズ大好きなんですよ。キャラクター達とも長年のお付き合いなので、好き補正がかかってしまうのですよ。)

オープニング、そしてスターウォーズの世界観を大スクリーンで観れたらもうオッケー(パイレーツ鑑賞後と同じ事言ってた)f:id:osugi923:20171227115807j:image

 

 

カイロ・レンの安定した情緒不安定さf:id:osugi923:20171227114752j:image突っ込みどころ満載で、SNSではぼっちネタで大人気のカイロ・レンですが、今回も情緒不安定です。この人に関してはカイロ・レンを演じるアダムドライバーって凄いな、この複雑骨折したベイダーファンという超難しく受け入れ難い役を成り立たせているなんて、という思いが強いです。

アダムの顔立ちも絶妙ですよね、よくこの人をカイロ・レンにしてくれた!

新シリーズの主要メンバーの人選に関しては、私は大満足ですよ。

 

レイはどうなる?f:id:osugi923:20171227114758j:image
レイはやはり捨て子だったという事実を作品では言ってましたが「そんなバカな」と思っていますよ。それはミスリードか、もしくは両親では無くおじおばが凄いフォースの持ち主説とかね。(ネット上ではレイの家族やスノークに関して色んな憶測が飛び交っていますし、中々面白い考察ですが、こればっかりは完結を待つしかありませんね)

 

 

レイア姫は凄いよf:id:osugi923:20171227115817j:image

レイアの凄さを感じたのが8かなと。

そもそもこの続編を観て一番偉大さを感じたのはキャリーフィッシャーの演技だと思います。

新シリーズ関連でのレイアは、美味しい演出が多いと思います。ローグワンのラストも最高だし、今回の8では4でR2に託したレイアの救援メッセージが映し出される下り、そしてルークとの再会した本作のラスト。

なのでキャリーフィッシャーが亡くなってしまった事が本当に残念です。ハンソロはいないし、ルークもフォースとなったし、レイアは次回も出演して欲しかった。次回作どうなるのだろうか。

 

マスター・ヨーダ先輩
ルークの前に突如登場しましたね。今回のヨーダ、旧作の方に近いけど古臭くない感じが絶妙なビジュアルでよかった。
そして相変わらずの笑い方でしたが、「これこれヨーダってこういう人!」て懐かしくて嬉しかったなぁ。また隣にいるルークがおじいちゃんになっているのも俯瞰的に観てジーンときた。時が経ったんだなぁ、と。

 

 

ルークが悲しいf:id:osugi923:20171227114807j:imageやさぐれてます。でもルークって変わらない。若い時から子供っぽいというかまぁ純粋なので、カイロ・レンがシスに堕ちた時も自分を責めて、身を潜める…(というかシスに堕ちる前に消そうとしましたが…)うむ…笑

ただカイロレンは既にスノークとつながっていた様な事をルークは言ってました。その繋がった詳しい過去は次回わかるのでしょうか。

そしてラスト、ルークは実体が消えていましたね。フォースとなり、霊体として魂だけは生き続けるということでしたっけね。

クワイ=ガンジンが習得し、オビワンやヨーダ先輩も習得したんでしたっけね。

ルークはクワイガンやオビワン、ヨーダや父親(アナキン)と会えたのでしょうか。

 

 

 

とにかく、スターウォーズ新作を観れる時代に生きてて良かったです。

4〜6をDVDで観て純粋にハマり、1〜3で物語の深さを知り、そして7〜娯楽映画としてまた純粋に楽しんでいます。その間にスピンオフまで観れてこんな最高な事はないです。f:id:osugi923:20171227114825j:imagef:id:osugi923:20171227115928j:image

映画好きには良い時代です。

映画好きな感性を持ってて良かったです。

次回作、楽しみだ。

 

 

 

映画「ソードアート・オンライン-オーディナル・スケール-」※ネタバレあり

テレビアニメ「ソードアート・オンライン」の劇場版。原作は川原礫によるライトノベル

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あらすじ。

テレビアニメ版では、謎の次世代オンラインゲーム「ソードアート・オンライン」の仮想空間に閉じ込められ、ゲーム内での死が現実世界の死に直結するデスゲームが始まってしまう。主人公キリトが、仲間とともにゲームクリアを目指して奮闘する姿を描いた。

今作は、VR(仮想空間)世界へのダイブ機能を排除した代わりに、AR(拡張現実)機能を最大限に広げた最先端ウェアラブル・マルチデバイス「オーグマー」が発売され、「オーディル・スケール」と呼ばれる専用のARMMO RPGによって、オーグマーは瞬く間に世間に広まっていく。アスナたちもプレイしているそのゲームに、キリトも参戦しようとするのだが、オーグマーにはある陰謀が隠されていた。

 

 

感想。

★★★

いや〜〜、面白かったねぇ

後半は食い入るように見てました。

 

 アインクラッド編の残酷さを再確認

今作は、ゲームをクリアしないと現実世界に戻れないどころか、ゲーム内の死は現実世界の死に直結する恐ろしいデスゲームでの犠牲者のパパが黒幕です。(初っ端かなりのネタバレ失礼します)しかもそのパパがオーグマーの開発者。

ちなみにSAO犠牲者は4千人もいたらしく恐ろしすぎます。

今作は、その事件の犠牲者の家族や関わった人達(本人も含め)にフォーカスが当たり、あの事件の悲惨さを改めて実感するわけです。

 

バトルシーンかっこよすぎる

訳あってボス戦をやりまくるので、とにかくバトルシーンが沢山あります。 

ボス戦の時にユナが歌う曲なんか、「Fate zero」でも始まるのかと思うぐらいのイントロでテンション上がりました。あの曲が流れながらあのバトルシーンは迫力ありますし映画館で観る価値ありです。梶浦由記さんの音楽はかっこいいです。
後半、アスナのピンチでキリトの目がいっちゃてますがあれも通常営業ですね。キリトはやはり最強でした。あと今作でユイも最強だと思いました 笑

 

神田沙也加さんの演技・歌声が素晴らしすぎる

神田沙也加さん凄すぎます。

ユナの声優も勿論、あの歌声があ〜〜、圧巻

SAO時代のユウナも良かったなぁ。悲惨なSAO世界にユウナがいたんだなあと、歌を歌っていたんだなあと思うとうるっときます。最終的には死んでしまうのが分かっているので辛いです。

そしてユウナの事が好きだったエイジはなんか、、可哀想だなぁと思います。ユナのパパに良いように使われてただけですしねぇ。ただのチートでしたしねぇ。

 

 

最後に

キリトとアスナの恋模様も勿論健在ですし、物語に大きく関わっています。アスナのSAO時代の記憶がなくなってしまったときに、キリトがこのままの関係でいられなくなるかもと危惧するのですが、

実際、記憶が取り戻せなかったら破局する可能性大だと思いました。お互いが出会い、苦楽を共にし、それを経て信頼し合い結ばれたという記憶が無くなるわけですから。好きになったきっかけが無ければ、今後二人の間に何かがあった時、アスナはキリトとずっと一緒にいたいと思えるか謎です。

この2人については他にも色々突っ込みたいシーンがありましたが長くなりそうなので割愛します 笑

 

とにもかくにも、 エンドロール後に続編を匂わせる終わり方をしましたね。

次回作も楽しみです!!

 

映画「博士と彼女のセオリー」※ネタバレあり

ホーキング博士(彼)と彼女の愛の物語

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あらすじ

 

 感想

★★★

エディ・レッドメインの演技に圧巻

この作品で、アカデミー主演男優賞受賞しましたね。病に侵されるまでのスティーヴンと、病気になってから、そしてどんどん進行していくにつれての演技の幅に度肝抜かれましたよ。

肉体的にぎこちない体勢を取らないといけなかったし、あの体勢や仕草、表情を撮影中はずっと維持してるわけで、相当身体にガタがきそうだな…とみてて心配になるぐらい凄かったです。

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フェリシティ・ジョーンズの強さ

綺麗ですよね。目力ありますし、芯の通った強い女性ははまり役です。

服と髪型とメイクに、表情や雰囲気をプラスして年齢にあったジェーンを演じ分けていたとは思いますが、年の重ね方も全く違和感がなくて凄いですね。

特に服装はどれも可愛かったなぁ。参考になります。f:id:osugi923:20170528003811j:imagef:id:osugi923:20170528003815j:imagef:id:osugi923:20170528003820j:image

 

 ジェーンの気持ち

愛する人が難病を患っているのを承知で結婚をした。でもその病はどんどん進行、自分1人だけでは支え切れなくなる。

そんな孤独の中で出逢った男性の存在に支えられて、やがて互いに惹かれ合う。

ジェーンの気持ちもわかります。スティーヴンの介助、育児、家事、自らの学業と、彼女の負担は日に日に大きくなり、精神的にも追い詰められていく。

でも個人的には、好きで一緒になった(結婚した)、長年連れ添った相手と最後まで一緒にいたいと想い続けて欲しかったです。

 

スティーヴンの気持ち

ジョナサン登場で、ジェーンとの距離も近づいていることを感じているスティーヴンはどんな気持ちだったんだろうと。

僕は理解する、反対はしないとジェーンに伝えるシーンはジェーンを思う気持ちに溢れていて。そこでそれを受け入れてジョナサンを迎えるジェーンですが。あそこで別の人に支えてもらう選択肢もあったわけで。なんとも言えないです、はい。

それ以前にALSという難病に侵されているわけですし。自身の身体がどんどん動かなくなる、まともにご飯も食べられなくなる、しまいには話すことも感情を表現することも困難になる…。そんな状況に不安や恐怖、怒りや憤りを感じないわけがありません。確かに病が発覚した時は取り乱していましたが、その後はあまり描写がないんですよ。ALSという病気のこともあり気持ちも伝えることができないというものありますが。

そして大事な人の心も離れていく。
もう考えただけでつらいですわ。

 

2人の和解のシーン

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ここのシーン好きなんすが、どうやらアドリブだったという事実を観賞後知りました。おどろき。小声で「ありがとう」と脚本にはない台詞をいうエディですが、これフェリシティは本当に聞き取れなくて「なんて言ったの??」て聞き返してたって事ですよね。 

なんという素晴らしい役者同士の化学反応ですこと…。

 

ラスト、感動

最後、成長した子供たちをみながらスティーヴンが「見ろよ 我々が創り上げてきたものを」とジェーンに伝えるのです。

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この台詞ジーンと来ました。いつの間にか子供たちが成長してる!という時間が経ったことに気づくのもそうなんですが、その前のスティーヴンのメガネをジェーンが自身の服で拭いてくれるところも過去とリンクしてて好きです。

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そして現在から2人が出会った瞬間まで時間を巻きもどすシーンは、心が揺さぶられました。泣きました。

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ロマンチックな演技が沢山あって、こんなシチュエーション素敵だなぁて思いながら観てました。 

 天才物理学者の話ではなく、難病を抱えた人の話ではなく、男女の愛の物語でしたね。

博士と彼女のセオリー」ふたりのセオリーとは…。色んな人の見解を聞きたいものです。 

 

ふと冒頭の、スティーヴンが自転車を漕いでるシーンを今見たら感動しちゃうだろうな、と時間を巻き戻して思いました。

映画 スイス・アーミーマン※ネタバレあり

無人島で出会った死体との交流を描いた奇想天外コメディf:id:osugi923:20171030221102j:image

 

 あらすじ

 「ハリー・ポッター」シリーズのダニエル・ラドクリフが死体役を演じ、「リトル・ミス・サンシャイン」「ラブ&マーシー 終わらないメロディー」などで知られるポール・ダノ扮する青年が、死体を使って無人島からの脱出を試みる様を描いた異色のサバイバルコメディ。

遭難して無人島に漂着した青年ハンクは、絶望して命を断とうとしたとき、波打ち際に男の死体が打ち上げられているのを発見し、奇妙な関係性を築いていくというなかなか狂気なストーリー。主人公は死体の超人的な使い道に気づき、島からの脱出を図ります。死体からはガスが出ており、浮力があることに気付いたハンクは意を決し、死体にまたがり無人島脱出を試みるが……。

 

感想

★★★

発想が凄い、面白かった!

まず、あらすじ読んでも、なんのこっちゃって感じですし、死体との交流ってなに?みたいな。それを解き明かすとすべてのネタバレになってしまうのですが、設定がとにかく面白かったです。

 

死体なのに喋る!!

主人公ハンクは、無人島で命を絶とうとした時に、波に打ちひしがれてる死体のメニーと出会います。f:id:osugi923:20171030221602j:imageしかしこの死体凄いんです。

体内にたまった腐敗ガスの影響で、おならをしまくるんです。「死体がこんなにおならしてるよ!!」て 笑

で、そのおならのガスを原動力にして、ジェットスキーのようにして無人島を脱出するんですよ。   映画のポスターは本編でも使われていたとは。しかもこのシーンでタイトルバックが出る演出なのですが、ここで心掴まれました。(馬鹿げてるけどなんだこのワクワク感は!これから何が始まるんだ!)f:id:osugi923:20171030221609j:imagef:id:osugi923:20171030221611j:image

このあとも、メニーは喋るし、水を身体に溜めてシャワー代わりになったり、髭剃りの機能も果たしたり…多機能な死体なんです。f:id:osugi923:20171030221152j:imagef:id:osugi923:20171030221244j:image

 

 

ハンクにとってメニーの存在とは

主人公のハンクと死体のメニーとの交流が軸に描かれていますが、メニーは会話の最中に下ネタを連発します。デリカシーがない、恥ずかしい、とハンクはメニーに対して抱きますが、メニーと行動を共にするうちに徐々に変化が生まれます。f:id:osugi923:20171030225845j:image

ハンクは、現実社会で生きにくさを感じていた。自身のコンプレックスから、自分の居場所を、存在意義を見いだせないハンクにとって、常識にもモラルにも囚われないメニーの存在をがハンスに生きやすさをもたらすのです。最高の相棒を得たことによって、人生の楽しさを教えてくれたのです。f:id:osugi923:20171030225827j:image

 

ラスト、感慨深い

このファンタジーに潜む現実をどうやって締めくくるのか。ラストどうなるのかと思っていましたが、かなり良いラストでした!

二人は文明社会に戻ることができます。

でもファンタジーの魔法は現実によって解けてしまうのです。メニーは本当の死体となり、動かなくなり喋らなくなります。

メニーとの交流で常識やモラル、世間の目から解き放たれたハンクですが、また現実を突きつけられるのです。あんなに戻りたかった文明社会だったのに、ハンスはそれを受け入れることができず、また2人の世界に戻ろうとするのです。もう今までの彼とは違います。f:id:osugi923:20171030225916j:imageそして最後メニーとの別れのシーンは……ジーンときますがクスッと笑っちゃいました。メニーらしい、良いラスト。スイスアーミーマンの世界観は崩れることなく、ほっこりする作品でした。

 

ダニエルラドクリフ×ポールダノのコンビ最高でした。

 

追記

私が川沿いを知り合いと散歩した時のこと。人通りが少なく、静かで、自然があって、開放感がありました。その時間はリラックスしていて、人目を気にせずバカやったり、自分の素が出ていました。

目的地に近づいて、駅が近づいてきて、人が多くなって、賑わい、都会になった時、急に我にかえった感覚になりました。仮面を被る、よそよそしくなった感じになるという気分でしょうか。「現実世界に戻ってしまった…」「これが個性を失うという事か…」と呟いたと同時に、スイス・アーミーマンを思い出した私であった。

映画 ドリーム ※ネタバレあり

夢を諦めない女性たちの、勇気と感動の実話

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あらすじ

1962年に米国人として初めて地球周回軌道を飛行した宇宙飛行士ジョン・グレンの功績を影で支えた、NASAの3人の黒人系女性スタッフ、キャサリン・ジョンソン、ドロシー・ボーン、メアリー・ジャクソンの知られざる物語を描いたドラマ。ソ連アメリカの宇宙開発競争が繰り広げられていた61年、米バージニア州ハンプトンにあるNASAのラングレー研究所に、ロケットの打ち上げに必要不可欠な計算を行う黒人女性グループがいた。なかでも天才的な数学の才能をもつキャサリンは、宇宙特別研究本部の計算係に抜てきされるが、白人男性ばかりのオフィス環境は、キャサリンにとって決して心地よいものではなかった。一方、ドロシーとメアリーもそれぞれ、黒人であるというだけで理不尽な境遇に立たされるが、それでも3人はひたむきに夢を追い続け、やがてNASAの歴史的な偉業に携わることとなる。f:id:osugi923:20171104131943j:image

 

感想

★★★★

この実話に勇気をもらいました。

様々な困難が立ちはだかろうとも仲間と共に夢を諦めない姿。主人公達の勇気ある行動に胸を打たれました。

 

主人公達の試練

当時、依然として白人と有色人種の分離政策が行われていた時代で、白人と非白人で分けられた様々な弊害が彼女達を苦しめます。

もちろんトイレもその一つ。

特に印象的なのが、主人公キャサリンが、職場でトイレをするために、往復1.6キロ、40分かけて行くシーン。近くにあるトイレは白人用しかなく、非白人用のトイレは遠くにあるため、時には大雨に見舞われながらもキャサリンは全力疾走します。f:id:osugi923:20171104123104j:image

この状況どうにかしてほしい!!

職場のコーヒーも白人用と非白人用に分けられる始末。しかも非白人用のポットには一ミリもお湯は入っておらず…。

こんないじめだ!て気持ち悪くなるほどの憤りを感じても、当時は国がそれを認めていた。そういう時代。今じゃ考えられないが、そういう教育を受けてそれを受け入れることが当たり前だった。

それでもひたむきに生きるキャサリン達をずっと応援していました。

人種差別なんかしてるから有能な人たちの才能を見出せず、ソ連に先越されたんだぞ!とか鑑賞しながら内心怒り心頭してました。

 

主演3人がNASAでそれぞれの地位を確立していく姿

キャサリン・ジョンソンの場合f:id:osugi923:20171104131919j:imageまずキャサリンは、直属の上司に恵まれていましまね。その間に入ってる野郎が中々頭固くてイライラしましたが、その上司はキャサリンの才能をかってくれたし、トイレ問題やコーヒー問題を解決してくれましたね。f:id:osugi923:20171104123408j:image

計算係の枠を超えて、キャサリンNASAに貢献していくのですが、宇宙特別研究本部での仕事も新たな計算機械、IBM登場により元の部署に戻ることになります。

ドロシー・ボーンの場合f:id:osugi923:20171104123206j:imageドロシーは管理職の道を進もうとしていましたが、上司に問いただしても、気にも止めてくれませんでした。やがてIBMが導入されることになり、彼女達の仕事がなくなるピンチにもドロシーはチャンスに変えてやってのけます。時代の変化を察知して先を見通す、新しいしことを勉強するドロシーのひたむきさ、また自分だけではなく仲間達の事も考えながら行動する彼女の素晴らしいところでした。 f:id:osugi923:20171104123305j:image

メアリー・ジャクソンの場合f:id:osugi923:20171104123508j:imageメアリーははエンジニアを志しているが、黒人である自分には叶わぬ夢だと半ば諦めていた。上司の勧めでエンジニアを目指すことを決意しますが、それに必要な資格が白人しか通えない高校でしか取れないという事実を知る。

普通なら諦めてしまいます。法がそう定めているなら絶対無理だと。しかし彼女は法律を変えるために立ち向かうのです。「前例がないなら私が作る」と。

強すぎる!不可能な事って自らが決めてしまうことが多くて自分自身で可能性を狭めてしまっているんだと本当思います。社会や時代の所為にしがちですが、彼女達を見ていると本当に恥ずかしくなる。もっと頑張ろうと勇気をもらいました。

 

人種は関係ない、機械には負けない

ラスト、ロケット発射前に宇宙飛行士のから、キャサリンが計算して間違ってなければ飛ぶという発言により急遽キャサリンが計算をする。そして、は言うのです。機械より人間の方が安心できると。
いいセリフです。

彼にとってキャサリンは、有能で信頼できる人物なのです。人種や機械の壁を超えるキャサリンの技術の賜物です。

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久々にど直球の良いヒューマン映画を観ました。邦題の「ドリーム」私は好きです。彼女達の夢そのものが映画に反映されていたから。

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映画 ダンケルク※ネタバレあり

クリストファー・ノーラン監督、初の実話に挑んだ、兵士たちの決死の戦い描いた作品。f:id:osugi923:20170929214139j:image

 

 

あらすじ

1940年、連合軍の兵士40万人が、ドイツ軍によってドーバー海峡に面したフランス北端の港町ダンケルクに追い詰められる。ドイツ軍の猛攻にさらされる中、トミー(フィオン・ホワイトヘッド)ら若い兵士たちは生き延びようとさまざまな策を講じる。一方のイギリスでは民間船も動員した救出作戦が始動し、民間船の船長ミスター・ドーソン(マーク・ライランス)は息子らと一緒にダンケルクへ向かうことを決意。さらにイギリス空軍パイロットのファリア(トム・ハーディ)が、数的に不利ながらも出撃する。

 

感想

★★★

ノーラン監督、お見事です!!

あっという間に終わってしまいました。f:id:osugi923:20171003212702j:image

 

 映画だけどまるでドキュメントを観ているよう

起承転結はありませんよ。初っ端から危機迫る展開、いや、ずっと危機迫る展開。で、あっという間に一気にクライマックスへ突入してまるでアトラクションに乗っていたかのような体験。f:id:osugi923:20171003212734j:image

 

ノーラン式、時間軸健在

ダンケルクに取り残された兵士たちを助けるという一つの目的を軸に、3つのストーリーが同時進行で進みます。次から次へと迫る生死との瀬戸際にハラハラドキドキしながら、3つのストーリーの時間軸が重なるラストはもう素晴らしい!!の一言。さすがノーラン監督でした。

 

ストーリーを特に深掘りする感想はありません。

ただただ、必死に生き抜こうとする人たち、必死に助けようとする人たちが織りなす最高のエンターテイメントでした。

 

敢えて掘るとしたら、素晴らしくイケメンな英国俳優さん達が沢山出演しているということと、印象に残る音楽(BGM)達ですかね。

 

本作の主人公、トミー役のフィオン・ホワイトヘッドをはじめ、、若い俳優さんたちがとてもフレッシュ。最高英国俳優さん。f:id:osugi923:20170930151304j:imagef:id:osugi923:20171003212550j:imagef:id:osugi923:20170930151306j:imagef:id:osugi923:20171003212957j:image

 

 

何と言ってもトムハーディ。f:id:osugi923:20170929214149j:image

もう只々かっこよかった。はぁ…いけめん。

トムハでこの役はずるいですね。鑑賞後、一言目に「トムハかっこよかった」と言っていた男性の方に完全同意でした。

ノーラン監督常連ですね。

 

そしてもう一方、ノーラン監督常連のキリアンマーフィ。

 安定の、クセの強さですわ。このダンケルクでさえ。さすがです。その存在感はどんな作品にも映えます。f:id:osugi923:20171003212651j:image

 

 

 「映画を観たより映画を体感した」ダンケルクでした。