matsuko diary

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映画「しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス」

カナダの女性画家モード・ルイスと彼女の夫の半生を描いた人間ドラマf:id:osugi923:20180321162714j:image

 

あらすじ

カナダ東部の小さな町で叔母と暮らすモードは、買い物中に見かけた家政婦募集の広告を貼り出したエベレットに興味を抱き、彼が暮らす町外れの小屋に押しかける。子どもの頃から重度のリウマチを患っているモード。孤児院育ちで学もないエベレット。そんな2人の同居生活はトラブルの連続だったが、はみ出し者の2人は互いを認め合い、結婚する。そしてある時、魚の行商を営むエベレットの顧客であるサンドラが2人の家を訪れる。モードが部屋の壁に描いたニワトリの絵を見て、モードの絵の才能を見抜いたサンドラは、絵の制作を依頼。やがてモードの絵は評判を呼び、アメリカのニクソン大統領から依頼が来るまでになるが……。

 

感想

★★★★

サリー・ホーキンスイーサン・ホークのふたりが織り成す、暖かい雰囲気がとても心地よかったです。心に沁みました。

 

はみ出しもの同士の出会い

出会いは結構酷いものでしたね。f:id:osugi923:20180321162840j:imageモードは気持ちを察しては引くタイプでもないし、エベレットは荒々しい性格で怖いです。女性のモードに対して、怒鳴り、とにかく容赦がない。

2人は始め、全く合わないんですよ。というか、エベレットが、モードを突き放すんですよね。でも同じ時間を過ごす内に、寄り添い、そして結婚します。ずっと独りだった2人にとって、相手の存在が居心地良かったのか、情が芽生えてそれが愛情となったのか。ふたりの距離が自然と縮まっていく過程がとても丁寧でした。何か大きい出来事がある訳ではないです。そこがまたリアルなんです。でも着実にふたりの関係が変わっていくんです。f:id:osugi923:20180321162854j:image

 

モードの絵の価値を見出した時、物語は踊り出すf:id:osugi923:20180321162905j:image

エベレットの顧客のサンドラが、モードの絵を気に入ります。モードの絵を売って欲しいと創作を依頼した辺りから、ふたりの物語からモードの画家としての話が動き出します。同じ女性として、見ててわくわくする感情が芽生えて、物語が色づき始める感覚がありました。f:id:osugi923:20180321163327j:image

 

エベレットの不器用な優しさ

エベレットは言い方がキツイですし、態度もデカイです。なので勘違いされやすいでしょうが、不器用ながらもモードの誠実に愛し、優しさを持ち合わせています。

その優しさを感じるシーンは随所に散りばめられています。

寝床がほしいという、モードに対して、「ベッドで寝るなんてお前は王女か。地べたに寝ろ、気に入らないなら出ていけ」と言いますが、次のシーンでは2階のベットで一緒に寝ていたり。

「網戸がほしい」というモードに対して、「網戸はいらん!」と言いますが、いつの日かエベレットは網戸をドアに取り付けてますし。

一度は否定するのですが、冷静になってみて、可哀想かなとか、確かに、とか思いながら結局モードの意見を取り入れるのでしょうか。なんか可愛いなぁと思っちゃいました。f:id:osugi923:20180321163217j:image

 

お互いの存在を再確認する

ふとした出来事をきっかけに、ふたりは言い争い、モードが家を出ていきます。

モードはサンドラの家に居候しますが、離れている間、ふと相手のことが頭に過ぎる、寝る前にお互いの存在を感じるような描写があって。いつも一緒に寝ていた人が急にいなくなると寂しくなりますね。そこで互いの大切さを再確認したんだろうなと思いました。

結局、エベレットがモードを連れ戻しにきます。その時の会話が素敵でした。

エベレットが素直にモードの存在の大切さを伝えるんです。この強面の男がですよ。そのぶん、響きました。f:id:osugi923:20180321163224j:imagef:id:osugi923:20180321163221j:imagef:id:osugi923:20180321163243j:image

 

ラストに涙

モードは若年性関節リウマチを患っており、その病気が悪化します。

ラストはエベレットがひとり家にいます。モードの絵の具たちを眺め、その隣に置いてあった缶カラに入っていた1枚の紙を見つけます。それは、モードとエベレットが出逢うきっかけになった、エベレットが書いた家政婦募集でした。モードはこれをずっと持っていたのですね。

これを最後に出すのか〜。もうふたりの思い出が走馬灯のように溢れんばかりに蘇ってきて、感動しました。f:id:osugi923:20180321163302j:imagef:id:osugi923:20180321163310j:image

 

普遍的だけれども、だからこそ共感してはグッときた作品でした。