映画「世界にひとつのプレイブック」※ネタバレあり
少しイカれた君が、なぜか希望の光
あらすじ
妻の浮気が原因で心のバランスを崩したパットは、仕事も家も失い、両親とともに実家暮らし。いつか妻とよりを戻そうと奮闘していたある日、事故で夫を亡くして心に傷を抱えた女性ティファニーに出会う。愛らしい容姿とは裏腹に、過激な発言と突飛な行動を繰り返すティファニーに振り回されるパットだったが……
それぞれに最愛の人を失い心に傷を負った男女が再生していく姿を、笑いや涙を交えて描いたヒューマンコメディ。
感想
★★★★★
後半にかけて畳み掛けるような面白さ。
全体的にわかりやすいストーリー、丁寧な演出が好感。そして最後はリトルミスのような、おかしな家族たちの一体感が妙に笑えて、お気に入りの一本になりました。
誰にでも人生「自分はイカれている(た)」と思う事はある
「人生は苦行」「死にはしないけど生きてるのはつらい」「人生疲れた」という感情が渦巻いている人に特にオススメしたい。
人生でつらい時期はおそらく誰にでもあって、「今の自分は最高にやばい状態」もしくは「あの時の自分は最高にやばい状態だった」時がある。
そんなちょうどやばい状態の主人公2人が織りなすヒューマンコメディはとにかく危なっかしい。
不安定同士が一緒にいれば、どちらかが支えるということが出来ないので、どっちも倒れるはずなんだけど。ちょうどいい具合に一緒に倒れて、人という形を保ってるような感じ。側から見れば不安定極まりないんだけど。
この2人は気を遣えるほど余裕がなく、正直だし、よくぶつかっている。というか純粋で正直な人ほど潰れやすいとも言える。その不安定さと純粋さがシュールすぎる。この映画のコメディとはそういう笑いです。
ティファニー役のジェニファーローレンスが魅力的
観ていてとても惹かれました。ジェニファーローレンスと同い年という事実も驚き(もっと大人な印象でした)、パット役のブラッドレイ・クーパーとは15歳差だけど役ではそんなの微塵も感じない。(パットが精神年齢低いっていうのもあるが)
そんでもってティファニーのキャラがとにかく最高なんです。パットがティファニーとの約束をドタキャンしたせいで、ティファニーが怒り心頭でパット家に乗り込んでくるシーンは見もの。
ティファニーが周りを畳み掛けまくる。アメフト興味ないのになんで試合の結果に詳しいねん…ニューヨーク州のモットーを知ってるねん…名探偵なのか。
とにかく誰も彼女の見解に論破できないところが笑える。
ラスト、ダンスのコンクールのシーンでまさかの展開
ダンスシーンは、終始ハラハラ。これどうなっちゃうんだろう、みたいな。しかもダンスのスコアが賭け事にされてちゃってる手前(ダンスの平均スコア5.0以上とってアメフトの試合でイーグルスが勝たないとパット家は事実上破綻する)これ大丈夫か?って。
で結果はイーグルス勝利し、ダンスのスコアもまさかの5.0ジャスト。
ほかの参加者達から、気を落とさないで…て言われてるけど、賭け事には勝ったパット家族たちはこんな低いスコアでも大盛り上がり。
おかしな家族達の一体感と、何も知らない周りとの温度差がまたもシュール。最高。
ラストもハッピー?エンドで、元気が出る映画に認定。