映画「アマンダと僕」※ネタバレあり
突然の悲劇で肉親を失った青年と少女の絆を描いたヒューマンドラマ
あらすじ
パリに暮らす24歳の青年ダヴィッドは、恋人レナと穏やかで幸せな日々を送っていたが、ある日、突然の悲劇で姉のサンドリーヌが帰らぬ人になってしまう。サンドリーヌには7歳の娘アマンダがおり、残されたアマンダの面倒をダヴィッドが見ることになる。仲良しだった姉を亡くした悲しみに加え、7歳の少女の親代わりという重荷を背負ったダヴィッド。一方の幼いアマンダも、まだ母親の死を受け入れることができずにいた。それぞれに深い悲しみを抱える2人だったが、ともに暮らしていくうちに、次第に絆が生まれていく。
感想
★★★☆☆
演出は優しいけど、内容は厳しすぎる。
主人公は24歳だったのね。まだこの現実を受け止めるには重すぎる。
予告は観てたので、ダヴィッドの姉が亡くなってしまう事はわかっていたけれど、亡くなる前の日常もしっかりと描かれていました。
なので余計悲しかった。しかも事故かと思ったらテロ事件ですし、姉だけでなく、姉を含むダヴィッドの知り合い達が巻き込まれた、とても悲惨な出来事となったのです。
残された2人
アマンダは幼くして母親がいなくなるという現実をどう受け止めたのだろうか。
ダヴィッドはアマンダの後見人となる事をいつ決めたのだろうか。
そこら辺の描写は非常にわかりづらい。泣く描写や寂しい気持ち、戸惑う気持ちは感じるけど、2人の中で亡くなったサンドリーヌに関する話は、一切交わす事なく終わるからだ。
この話の中では、ダヴィッドはアマンダと一緒にいる事を選択したところで終わり、2人が前へと進んでいく、サンドリーヌの死を受け入れるところまではいっていないと思う。
そしてダヴィッドと恋仲であったレナとの関係も曖昧なもので終わる。
大切な人が突然、この世からいなくなったら
もしくは大切な人と今までの関係が突然築けなくなったら。
人生は待ってくれませんからね。
大きな災害でも起きないかぎり日常は変わらない。
取り残された自分もまたつらい。
守りたい家族や大切な人がいるなら、この防ぎようがないテロによって日常の幸せが一瞬で消えてしまうこの映画を普通に見れないだろうと思いました。
ただ、同じ悲しみを味わったアマンダとダヴィッドの絆は一生ものだと思った。