matsuko diary

映画感想ブログ

映画「天気の子」※ネタバレあり

これは僕の彼女だけが知っている世界の秘密についての物語f:id:osugi923:20190831164041j:image

 

あらすじ

離島から家出し、東京にやって来た高校生の帆高。生活はすぐに困窮し、孤独な日々の果てにようやく手に入れたのは、怪しげなオカルト雑誌のライターの仕事だった。そんな彼の今後を示唆するかのように、連日雨が振り続ける。ある日、帆高は都会の片隅で陽菜という少女に出会う。ある事情から小学生の弟と2人きりで暮らす彼女には、「祈る」ことで空を晴れにできる不思議な能力があり……。

感想

★★☆☆☆

うーーーん。ストーリーにハマれませんでした。音楽も「君の名は」と比べてしまっては、盛り上がりに欠けました。新海監督の想い、わからず。すまぬ。

 

ちょっと壮大すぎてついていけず

新海監督が作る映像美も好きですが、リアルな日常から切り取られた小さな幸せや、奇跡のような人との出会い、そんなボーイミーツガールな物語が好きです。

ベースにはこの現実社会があり、その中にある“表現としてのファンタジー”要素や演出が、「君の名は」まではあると思っていて。「君の名は」も非現実的な要素はあったが、それは非日常として処理できた。本当は知らないだけで、あるかもしれないという想像を掻き立てられるような現実と非現実の狭間を感じられた。これは主人公とヒロイン以外が日常パートをしっかり支えており、怪奇現象と捉えられぐらい行き過ぎた演出ではなかった。だが本作は地に足がついていないように感じてしまった。

ジュラシック・パークⅢ」のような、現実世界にやばいファンタジーが放たれてしまった感のラスト…f:id:osugi923:20191008193812j:image

 

世界観についていけず

ファンタジーはしっかりとした世界観を作らないと、観ている方は置いていかれるし冷める。なんでもありな展開に感じてしまい、なんでもよくなると、みんな都合のいいように物語が作れちゃう感じに取れてしまった。これは「天気の子」の街の再現率が非常に高く、そしてタイアップが多すぎて妙にリアルだったことが居心地の悪さを助長する結果となった。これに私が引っかかってしまったのがあかんかったのです。

 

主人公についていけず

穂高の幼稚さと衝動性が気になってしまいました。気になってしまったのはきっと、彼を応援したいと思わせるほど好きになれなかったから。純粋で優しくて良い子なんだけど、それだけでは代償は大きすぎた。いろんな人たちの犠牲を払ってまでも彼を応援したいと思わせる彼の人間性が読み取れず。一番のキーになると思っていた彼の家出の理由を明かされることなく、あんなに実家に帰りたくないと頑なだったからそれ相応の理由があり、それをぴっぱるなぁと思っていたら、「あれ、明かさないや 笑」という。その後保護観察により実家に戻り高校生活をあっさりと終わらせる。

そして穂高を残念と決定付けたのは、陽菜が自分が消えるかもしれないという恐怖と戦い、そして次に晴れを願ったら自分は消えると確信があった時に、穂高に「雨がやんでほしいと思う?」と聞くと、彼は簡単に「うん」と答えてしまう。いくら知らなかったとはいえ、これが私の中ではアウトでした。

応援できん!!

そしてそのあと陽菜が消えてから暴走です。

陽菜が好きでずっと一緒にいたいという気持ちが先行しすぎていて、ほかの人たちやそれこそ、陽菜の気持ちを聞いたことがあったのだろうかと感じてしまい。

世界の調和より大切な人を守りたいという気持ち、そういう人間臭さというか、綺麗事なく貫くことは嫌いじゃない。ただそれを応援したいと思える主人公ではなかったということ。f:id:osugi923:20191008193826j:image

 そして私が引っかかったところは、きっと本作では「そこじゃないよ」ということだと思う。「よかった」という身近な人がいたら感想を聞いて消化していこうと思います。

ちなみに好きなキャラは夏美さんと凪先輩でした。