matsuko diary

映画感想ブログ

「イン・ザ・ハイツ」感想 ※ネタバレあり

そこは夢が集う場所 ワシントン・ハイツf:id:osugi923:20210814183300j:image

あらすじ

変わりゆくニューヨークの片隅に取り残された街ワシントンハイツ。祖国を遠く離れた人々が多く暮らすこの街は、いつも歌とダンスであふれている。そこで育ったウスナビ、ヴァネッサ、ニーナ、ベニーの4人の若者たちは、それぞれ厳しい現実に直面しながらも夢を追っていた。真夏に起きた大停電の夜、彼ら4人の運命は大きく動き出す。

 

感想

★★★☆☆

(3.7ぐらいです。)

ブロードウェイミュージカルの映画化です。

今の私には響く作品でした。

恋や友情、群青劇だけではない。

これは、夢を追い求める全ての人に見てほしい。

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ラップ全面のミュージカル映画

ラップ全面でヒップホップやラテン音楽のミュージカルは新鮮でしたが、サイコーに良かったです。むしろ、ラップの方が、情報量が多いので、キャラクターや心情が細部までわかるし、テンポが良い!

一昔前の自分だと、ヒップホップ界隈の人間も知らず、聞き馴染みがない分、少し抵抗さえもあったかもしれないです。

今だからよかった。ラッパーの人たちの凄さやグルーブを作る時に欠かせない一つのパフォーマンスだと理解している今だからよかった。

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夢を持つ人たちの群青劇

登場人物は皆、夢を持っていて、でもそれぞれが色んな想いや弊害を抱えているんですよ。

そもそも舞台であるワシントン・ハイツは年々家賃の高騰で生活は苦しいし、電気の供給が弱過ぎて停電になっちゃうわ、気候は暑いわで大変なんですよ。

主人公のウズナビの夢は、故郷であるドミニカへ帰ってお店を開くこと。

またヒロインであるバネッサの夢は、ワシントン地区を出てデザイナーになること。

この映画の面白いところが、みんなが夢を追い求めて、成長していくというただの群青劇ではないところ。f:id:osugi923:20210815120810j:image

 

夢を持つ人に様々な形を提示してくれる映画

皆、夢を叶えるため必死に働いている。

毎日まじめに働きさえすれば夢が叶うのは、おとぎ話である事。それに囚われてしまうと故郷を忘れていく(大切なモノを忘れていく)というセリフがあります。(記憶曖昧ですが、たぶんそんな意味合い)

ウズナビはそれを感じているし、この映画で伝えたいメッセージの1つでもあったのかなと思います。

皆が憧れる道から挫折したもの、
夢を叶えるために闘うことを決意したもの、
追い求めていた夢ではなく、此処で本当の幸せ掴んだもの、

これがインザ・ハイツです。

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最終思ったのは、
自分の理想とする夢は、本当に自分を幸せにしてくれるだろうか、と問われた気がする。

こっちの方がいい気がする、

こっちの方が勝ち組だ、

こっちの方が自由だ、

先の希望を追い求めて努力することも大切。

だけど、先入観のもと理想を追い求めて、今を大事に生きれなかったらそれは悲しいことだ。

今ある幸せを当たり前だと思わずに、噛み締めておかないと、失った時に後悔するかもしれない。

やはり、この瞬間を生きることも大事なんだと思わせてくれる。

夢に対する新しい提示を教えてくれた作品。

想像をいい意味で裏切ってくれました。

 

『現実を嘆くより、俺は旗を掲げたい』

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劇中でウズナビがいうこのセリフは好きですね。なのでもう一回言います。

現実を嘆くより、俺は旗を掲げたい!

 

辛い現実を直面した時にみんなを奮い立たせるシーンですね。なんか、バンプの歌詞に出てきそうだなぁ。だから好き。

まぁこの一言に尽きる。

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(バネッサの全力疾走パフォーマンスは圧倒)
(序盤からのミスリードがラストに生きる)
(ウスナビの名前の由来は結構じわる)