matsuko diary

映画感想ブログ

BLUE GIANT(ブルージャイアント)映画感想※ネタバレあり

二度とないこの瞬間を全力で鳴らせf:id:osugi923:20230422174138j:image

あらすじ

仙台に暮らす高校生・宮本大はジャズに魅了され、毎日ひとり河原でテナーサックスを吹き続けてきた。卒業と同時に上京した彼は、高校の同級生・玉田俊二のアパートに転がり込む。ある日、ライブハウスで同世代の凄腕ピアニスト・沢辺雪祈と出会った大は彼をバンドに誘い、大に感化されてドラムを始めた玉田も加わり3人組バンド「JASS」を結成。楽譜も読めずただひたすらに全力で吹いてきた大と、幼い頃からジャズに全てを捧げてきた雪祈、そして初心者の玉田は、日本最高のジャズクラブに出演して日本のジャズシーンを変えることを目標に、必死に活動を続けていく。

感想

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★★★★★

結構泣いたな…としみじみ。

自然と涙が流れる事が多かったです。

特に演奏シーンで泣きました。

感情が音にのるって、こういう事なんだと思いました。

序盤で感情が揺さぶられるf:id:osugi923:20230422174247j:image最初に涙腺が緩んだのは、大が雪折に初めてサックスを聴かせるシーン。

サックスの音から湧いてくる、大の感情がとにかく熱い。荒々しいけど物凄いエネルギーに溢れ、心が揺さぶられる。序盤で物語に入り込めることができたシーンでもあるので、印象深い。

玉田の成長に泣けたf:id:osugi923:20230422174251j:image大は超人だし、雪折はエリートだし、共感しやすいのは勿論、玉田です。勝手に家に転がり込んできた大を受け入れ、サックスの練習に付き合ってあげる良いやつです。空き缶と木の枝をドラムに見立てて、大のサックスの練習に付き合ってあげた、あの何気ない日常。あと瞬間に、玉田はドラムにのめり込んだ。というか、セッションの楽しさと気持ちよさ、そして大の音に魅了されたんだと思う。

劇中、「ジャズは同じメンバーでずっとやることはない」と、雪折は言っていたけれど、玉田にとっては大と雪折の3人でやるセッションにこそに意味があったんだと思う。f:id:osugi923:20230422174336j:image音楽初心者の楽しさだったり、2人に必死で喰らいつこうとする姿だったり、自分のドラムの出来なさに「俺のドラムはクソだ」といって落ち込んだり。初ライブでの苦い思い出など、振り返ると、映画版ブルージャイアントは、「玉田の成長物語」なのではないかと思うほど。

大にも成長ストーリーはあったけれど、仙台編がカットされた本作では、玉田が王道の主人公に見える。

初ライブを見たおじちゃんの言葉にグッとくるf:id:osugi923:20230422174749j:imageまた玉田の話になってしまいますが、ストーリーは進み、3人のバンドは力をつけていく。ライブ終わりに出待ちがいる様になっても、それは大や雪折が目当て。ただある日、玉田に話しかけたおじちゃんは、

「君のドラムはどんどん良くなっている、成長する君のドラムを聞きに来ているんだ」

と玉田に伝える。そのおじちゃんは、3人の初ライブを聞いていたおじちゃんだった。

凄くいいシーンだな、原作でもよかった。

音楽って上手い下手だけじゃなくて、

感情が伝わるかどうかだし、改めてその人のストーリーに感動するだなと思った。だからこそ、私はラストのソロにとても感動をした。

ドラムパフォーマンスで泣いたのは初めてです。

雪折はスランプに陥るf:id:osugi923:20230422174411j:image日本一のジャズクラブ“So Blue”に、10代のうちに立ちたいという目標があった雪折は、ツテを借りて何とか“So Blue”の関係者に自分達の演奏を聴いてもらうことができた。しかし、雪折だけ(とても)コテンパンにダメ出しされてしまう。「小手先だけ」「音楽だけでなく、人を馬鹿にしてる横柄な態度」人格もダメだしされてますやん。f:id:osugi923:20230422174428j:image逆にあそこまで言ってくれた平さんは、雪折の才能に期待してたからで。先にあるスランプを予期していたのかわかりませんが、あのぐらい言わないと変われないだろう、才能をダメにする可能性を予想していたのだろうか。

若いうちは図々しいくらいが良くて、でもどんな世界でも素直さがないと軌道修正もできないし、結果良い逸材にはなれない。あの平さんの言葉に対して、反抗したり逃げたりせず、受け入れて、自分を正していく雪折の姿は成長だし、あと凄いピュアな人だったんだと気づく。

3人ともピュアでした。

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あと、雪折に関しては原作を読んでいたので、ことあるごとに泣けてしまう。あの感情に関しては、原作未読の方が絶対楽しめるはずです。

ラストのピアノソロでグッときたし、多分泣いていたと思う。

そしたら結構な頻度で泣いていたという事です。

 

最後にf:id:osugi923:20230422174516j:image
他の方の感想で耳にしていた、演奏シーンのCG問題。凄い耳にしていたからなのか、そこまで気にならなかったです。でもあそこが気にならなければ、もっと良い評価になることは間違いないです。

むしろ演奏シーンは、CG問題よりも女性の観客の演出がわざとらしく見えてしまって、少し冷めてしまう自分がいました。でもそれ以外は最高でした。

また観たい、映画館で!