映画「博士と彼女のセオリー」※ネタバレあり
ホーキング博士(彼)と彼女の愛の物語
あらすじ
感想
★★★
エディ・レッドメインの演技に圧巻
この作品で、アカデミー主演男優賞受賞しましたね。病に侵されるまでのスティーヴンと、病気になってから、そしてどんどん進行していくにつれての演技の幅に度肝抜かれましたよ。
肉体的にぎこちない体勢を取らないといけなかったし、あの体勢や仕草、表情を撮影中はずっと維持してるわけで、相当身体にガタがきそうだな…とみてて心配になるぐらい凄かったです。
フェリシティ・ジョーンズの強さ
綺麗ですよね。目力ありますし、芯の通った強い女性ははまり役です。
服と髪型とメイクに、表情や雰囲気をプラスして年齢にあったジェーンを演じ分けていたとは思いますが、年の重ね方も全く違和感がなくて凄いですね。
特に服装はどれも可愛かったなぁ。参考になります。
ジェーンの気持ち
愛する人が難病を患っているのを承知で結婚をした。でもその病はどんどん進行、自分1人だけでは支え切れなくなる。
そんな孤独の中で出逢った男性の存在に支えられて、やがて互いに惹かれ合う。
ジェーンの気持ちもわかります。スティーヴンの介助、育児、家事、自らの学業と、彼女の負担は日に日に大きくなり、精神的にも追い詰められていく。
でも個人的には、好きで一緒になった(結婚した)、長年連れ添った相手と最後まで一緒にいたいと想い続けて欲しかったです。
スティーヴンの気持ち
ジョナサン登場で、ジェーンとの距離も近づいていることを感じているスティーヴンはどんな気持ちだったんだろうと。
僕は理解する、反対はしないとジェーンに伝えるシーンはジェーンを思う気持ちに溢れていて。そこでそれを受け入れてジョナサンを迎えるジェーンですが。あそこで別の人に支えてもらう選択肢もあったわけで。なんとも言えないです、はい。
それ以前にALSという難病に侵されているわけですし。自身の身体がどんどん動かなくなる、まともにご飯も食べられなくなる、しまいには話すことも感情を表現することも困難になる…。そんな状況に不安や恐怖、怒りや憤りを感じないわけがありません。確かに病が発覚した時は取り乱していましたが、その後はあまり描写がないんですよ。ALSという病気のこともあり気持ちも伝えることができないというものありますが。
そして大事な人の心も離れていく。
もう考えただけでつらいですわ。
2人の和解のシーン
ここのシーン好きなんすが、どうやらアドリブだったという事実を観賞後知りました。おどろき。小声で「ありがとう」と脚本にはない台詞をいうエディですが、これフェリシティは本当に聞き取れなくて「なんて言ったの??」て聞き返してたって事ですよね。
なんという素晴らしい役者同士の化学反応ですこと…。
ラスト、感動
最後、成長した子供たちをみながらスティーヴンが「見ろよ 我々が創り上げてきたものを」とジェーンに伝えるのです。
この台詞ジーンと来ました。いつの間にか子供たちが成長してる!という時間が経ったことに気づくのもそうなんですが、その前のスティーヴンのメガネをジェーンが自身の服で拭いてくれるところも過去とリンクしてて好きです。
そして現在から2人が出会った瞬間まで時間を巻きもどすシーンは、心が揺さぶられました。泣きました。
ロマンチックな演技が沢山あって、こんなシチュエーション素敵だなぁて思いながら観てました。
天才物理学者の話ではなく、難病を抱えた人の話ではなく、男女の愛の物語でしたね。
「博士と彼女のセオリー」ふたりのセオリーとは…。色んな人の見解を聞きたいものです。
ふと冒頭の、スティーヴンが自転車を漕いでるシーンを今見たら感動しちゃうだろうな、と時間を巻き戻して思いました。