映画「グレイテスト・ショーマン」※ネタバレあり
「地上でもっとも偉大なショーマン」と呼ばれた19世紀アメリカの実在の興行師P・T・バーナムの半生を描いたミュージカル
あらすじ
貧しい家に生まれ育ち、幼なじみの名家の令嬢チャリティと結婚したバーナム。妻子を幸せにするため努力と挑戦を重ねるバーナムはやがて、さまざまな個性をもちながらも日陰に生きてきた人々を集めた誰も見たことがないショーを作り上げ、大きな成功をつかむ。しかし、そんな彼の進む先には大きな波乱が待ち受けていた。
感想
★★★
ミュージカル映画として素晴らしいです。観てて元気をもらえる作品です。
素晴らしい歌声、素晴らしいダンス
ストーリーのテンポが良い、構成もよい、そしてなんといっても、歌に踊りに、パフォーマンスがパーフェクト!!圧倒されました。本物だと。粗がないです。
パフォーマンスの中でもザックが出演してるシーンは圧巻でした。
バーナムがザック演じるフィリップを自身のショーに勧誘するシーンや、
フィリップと恋に落ちるアンとの空中ブランコシーン。魅せるなあ。
もちろん、作品のテーマでもある「This is me」は言わずとも素晴らしかったです。力強い、力強い。
レベッカ・ファーガソン演じるジェニー・リンドが歌った「Never Enough」は物凄くジーンときました。歌声だけで心が動かされる。
全てがスタンディングオーベーションものでした。スクリーンで観る価値ありです。
バーナムの人間性が気になった
エンターテイメントを観ている傍ら、ストーリーを追っていると、どうしても主人公バーナムの人間性が気になる。 トップに立つ人間にもなると仕方ないのかしら、幼少期の不遇を考えると仕方ないのかしら、そもそもミュージカルとしては素晴らしいからまぁいっか、とか考えてました。バーナムと対比するかのようにフィリップがどんどんいい奴になるので、それもまた際立っちゃう要因。
最終的には改心し、フィリップとも師弟関係ではなく相棒となったのでめでたしめでたし。
そしてバーナムの妻を演じたミシェル・ウィリアムズが美しかった。ショーがヒットする前の貧しかった頃のシーンなんか彼女の素材の良さが際立っていました。
そしてバーナムの娘2人はとてもかわいかった。ラストの妹ちゃん木の役になってたけど、キュートで胸がきゅんとしました、笑顔になりました。
映画「ガタカ」 ※ネタバレあり
決して夢を諦めない
あらすじ
遺伝子操作により管理された近未来。宇宙飛行士を夢見る青年ヴィンセントは、劣性の遺伝子のため希望の無い生活を送っていた。そんなある日、ヴィンセントは闇業者の手配により、事故により身障者となった優秀な遺伝子をもつ元エリート、ジェロームに成りすます偽装の契約を結ぶ。そうして、ジェロームの遺伝子を借りてエリートとなったヴィンセントは、宇宙飛行施設“ガタカ”に潜り込む。が、そんな中、彼の正体に疑いを持っていた上司の殺人事件が起こり……。
感想
★★★★★★★
名作でした。
SF×ヒューマン。
他の作品でも面白い設定はあるが、(活かしきれず残念も多々あるが)ここまで良い作品だと思えたのは、やはりイーサン・ホークとジュード・ロウの2人の関係性がとても素晴らしかったから。映像と音楽も素晴らしかった。
常に緊張感漂う展開に目が離せない
不適合者のヴィンセントは不適合者であるとバレない為に、毎日チェックする指紋認証、尿検査など、適合者であるジュロームのものを使用しながら、髪の毛一つも残さないよう、とんでもない程の配慮をしまくる日々を送っています。
ある日、職場内で起きた殺人事件により、警察が犯人探しのために職場を調べ始めることとなるのですが、ヴィンセントにとっては危機です。警備の目が厳しくなり、より一層ハラハラ度が増すわけです。目が離せない 笑
どんな境遇でも夢を諦めない
遺伝子で決められた優劣差別の中、夢を叶えるために諦めないで生き抜く主人公の努力は賜物です。見た目で不適合者とばれないために、身長を伸ばす手術をするシーンは、観てて痛々しい。本人もそこはさすがに躊躇しますが、夢をかなえるために、手術することを決めます。
またその夢を自分の夢同様に思い、ヴィンセントに協力するジェロームの努力も賜物。この2人の織りなす関係性もとても素敵でした。(ヴィンセントが絶体絶命の中、ジュロームが車椅子を降りて必死で階段を登るシーンは印象深い。螺旋階段なのもDNAを彷彿とさせるね)
兄弟の話
ヴィンセントには弟がいます。
ヴィンセントは遺伝子操作なく両親が自然妊娠してできた子供。この両親、愛があれば遺伝子操作なくとも子供を幸せにできるという思いがありました。しかし、いざ蓋を開けてみると、心疾患で寿命は30歳と診断されるんです。
現実を突きつけられた両親はショックを受け、遺伝子操作で身体的知的のハンディキャップなしの弟を作りました。(ころっとですよ)それにより、両親はいつしか弟をかわいがり(無意識かもしれませんが)、ヴィンセントは弟という適合者と比較される環境に身を置かれるわけです。
この弟との確執が、また後半生きてくるんですよね。この幼少期の出来事もしっかり無駄なく回収してるところもいいですね。
周りを取り巻く人たちが知らず知らずに心動かされていた
特にそのような描写はありません。ただヴィンセントが不適合者であるのを知りながらも黙っている(応援していた)人たちがいました。そんな適合者すら彼の努力を認めて、このまま夢に向かって進んで欲しいと思っていた事には違いないと思います。こういうところがまたいいですよね。
ラスト
ヴィンセントが「地球には居場所がないと思ってたのに、去るのがつらかった」というセリフにジーンときました。
ヴィンセントが宇宙に旅立つ、そしてジュロームの最期…。二つの異なる炎が哀しさを引き立てましたね、こんな演出するのも上手いですね。
褒めてばかりでしたが、本当によかったです。お気に入りの一本になりました。
映画 万引き家族 ※ネタバレあり
犯罪で繋がる家族の物語
あらすじ
東京の下町。高層マンションの谷間に取り残されたように建つ古い平屋に、家主である初枝の年金を目当てに、治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹の亜紀が暮らしていた。彼らは初枝の年金では足りない生活費を万引きで稼ぐという、社会の底辺にいるような一家だったが、いつも笑いが絶えない日々を送っている。そんなある冬の日、近所の団地の廊下で震えていた幼い女の子を見かねた治が家に連れ帰り、信代が娘として育てることに。そして、ある事件をきっかけに仲の良かった家族はバラバラになっていき、それぞれが抱える秘密や願いが明らかになっていく。
感想
★★★★★
役者さんの演技に脱帽。しぐさや表情、セリフに心を揺さぶられました。安藤サクラさんの母性には自然と涙がでました。
見応えある演技と豪華な出演人
いやー、贅沢でした。
主演級の方々ワンシーンのみだったり、ほんと少ないシーンで印象に残るお芝居。2時間じゃ物足りないくらいもっと掘り下げてほしいぐらい。
特に安藤サクラの母性を感じては涙しました。
凛の帽子を焼き、後ろから凛をぎゅーとハグするんです。あそこは印象的で、なんとも言えない涙が溢れました。
また子役の2人、祥太と凛を演じた城 桧吏くんと佐々木みゆちゃんは、なんじゃこらというほど、素晴らしかった。可愛いらしくて演技が上手というレベルではなく、とてもリアルでした。子どもながらに抱えている不安定さ、そのなかに垣間見れる子供らしい無邪気さが混在して、観る人に訴えかけるぐらいの魅せるものがあった。
もともと松岡茉優さんのお芝居が好きで、ほかの作品だといい意味で浮くことが暫しあるのですが、万引き家族は、なじんでいました、皆さんの演技が心地よかったです。
そんな役者さんが沢山出ているこの作品は本当に贅沢です。
家族の形とは
冬のある日、近所の団地で震えていた幼い女の子を見かねて家に連れて帰ったことから物語がはじまります。家に帰ろうとしないその子に、初めは戸惑いながらも凛と名前をつけて娘として育て始めます。
しかしこの家族、凛の存在云々関係なく、どことなく不自然で。話が進めば進むほど、色々と「??」と思う節が時折垣間見えるんです。でも凛を通して、信代の母性を感じたり、治はどうしようもない父親だけど、彼なりに家族を愛していたり。亜紀は、初枝とは仲が良いけど、好きな人ができると信代に見透かされ、ほほえましい会話をしたり。家族みんなで海に行くシーンは特に、みんな楽しそうな家族の形が印象的でした。
初枝の死後、わかる家族たちの関係性
家族だと思っていたが、本当は誰1人血の繋がりがなかったという事実。
え、誰一人も?!てなりました。
本当に初枝の年金を頼りに偽りの家族を作っていたということで成立しちゃいますよね、つまり絆はお金だったのか?
いや、この作品を観た人はそうは思わない。それが面白いところで。
それだけではなく、信代と治には衝撃な過去があり、関係が複雑すぎるんですよね。
でもこの家族の日常を観た人は一言では片付けられない感情にさせられる。
ラスト、考えさせられる
凛が本当の家族の元に帰るのですが、それはまたつらい生活に戻っただけ。
子は親を選べない。血の繋がりこそが本当の家族なのか?本当な家族と一緒にいることが本当な幸せなのか。と問いかけられます。
そんなの千差万別であり、それを子どもは自ら選択ができない。だからちゃんとした大人が子どもが自立できるまで守っていかないといけない、それは血の繋がり関係なく、大人の義務である、と私は思う。
確かに、あの家族の形は一般には理解されにくいものがある。警察はいとも簡単にあの必死で作り上げた家族を引き離した。
犯罪たくさんしてます。犯罪を助長しているという意見もある。それはいけないことである、しかしそれ本人たちだけのせいなのだろうか、そこに本当の家族(血縁者)の責任があるのではないか。罪を犯したことだけではなく、どうしてこの家族が生まれたのか、そこも知ってほしい。
凛がまた本当の家族のもとに返され、育児放棄される。1から10を繰り返し数える彼女のラストのシーンが胸を締め付ける結末でした。
血縁者がない中で家族は作られるだろうか。
問いかける作品でした。
家族の定義をしっかり考えなければなりませんが、あの家族にはお互いの存在が必要だった。幸せは周りが決めるものではなく、自身で感じるものであることをしっかり見て欲しい。
映画「レディ・プレイヤー1」※ネタバレあり
最高の、初体験
あらすじ
貧富の格差が激化し、多くの人々が荒廃した街に暮らす2045年。世界中の人々がアクセスするVRの世界「OASIS(オアシス)」に入り、理想の人生を楽しむことが若者たちの唯一の希望だった。そんなある日、オアシスの開発によって巨万の富を築いた大富豪のジェームズ・ハリデーが死去し、オアシスの隠された3つの謎を解明した者に、莫大な遺産とオアシスの運営権を明け渡すというメッセージが発信される。それ以降、世界中の人々が謎解きに躍起になり、17歳の孤独な青年ウェイドもそれに参加していた。そしてある時、謎めいた美女アルテミスと出会ったウェイドは、1つ目の謎を解き明かすことに成功。一躍オアシスの有名人となるが、ハリデーの遺産を狙う巨大企業IOI社の魔の手が迫り……。作中のゲーム世界には、アメリカはもとより日本のアニメやゲームに由来するキャラクターやアイテムなどが多数登場する。
感想
★★★★★
140分間ぶっ通しでゲームをやり切った後の爽快感と良い意味での疲労感を体験しました!!
観終わった後、拍手を送りたいほどの高揚感で、「楽しかった!」の一言でした。
個人的な高揚ポイント
①セリフなし迫力ある映像に魅せられる
第一の試練で登場するカーチェイスでは、セリフなしの、映像のみ。それがとてもよかった。ただただゲームに熱中させてもらいました。
②畳み掛けるような、色んな作品のオマージュとが集結
豪華すぎました。某有名キャラクターをこれでもかと登場させる。第二の試練では映画「シャイニング」の世界観ががっつり登場しましたし、もう怖えのなんの 笑
そして個人的にガンダムの登場の仕方は「うおー!!」と興奮しましたね。おれはガンダムになる、はい。
③仮想世界の仲間が現実世界でも出会い、協力し合う
ここら辺、もう高揚感が凄くて、映画見ながらニヤニヤしてたと思います。ワクワクが止まらなかったです。アバターと現実の人物にギャップは付き物ですが、皆んなそこまででもない。(典型的なのはエイチぐらい)とにかく、バーチャルで知り合った仲間たちが、現実世界でも協力し合い、敵に立ち向かう…。シチュエーションだけでもテンション上がります。
ちょっと主人公とヒロインの関係がうまくいきすぎだけど、(色々都合がよろしい 笑)それを含めて夢のある映画でした。
スピルバーグさん、凄いなぁ。これでもかと観客を楽しませてくれる。遊び心が満載でした。童心に返れる作品です。
追記
劇場公開終了後、名画座でも観ました。
これはスクリーンで楽しく観る映画だ!と再確認。観終わった後の爽快感と、興奮して誰かと話したくなる、そんな映画。
映画「君の名前で僕を呼んで」※ネタバレあり
何ひとつ忘れない。
あらすじ
1983年夏、北イタリアの避暑地。17歳のエリオは、アメリカからやって来た24歳の大学院生オリヴァーと出会う。彼は大学教授の父の助手で、夏の間をエリオたち家族と暮らす。はじめは自信に満ちたオリヴァーの態度に反発を感じるエリオだったが、まるで不思議な磁石があるように、ふたりは引きつけあったり反発したり、いつしか近づいていく。やがて激しく恋に落ちるふたり。しかし夏の終わりとともにオリヴァーが去る日が近づく……。
感想
★★★★
同性愛者の物語。でも他の作品とひと味もふた味も違う。私にぴったりな作品でした。
これは芸術作品と呼んでもいいでしょうか
素敵なpvを贅沢に観ているかのよう。話自体も、ゆったりと丁寧に進んでいくので、一夏の思い出を傍観者として体感したかのような、すっきりとした気持ちになりました。
そして主演2人がこれまたお綺麗で 笑
2人の会話も良かったなぁ。2人の気持ちがわかる前のあの探り探りな感じ。エリオは、オリヴァーに自分の思いに気づいてほしいながらも曝け出すのが怖い気持ちがわかりやすく出てましたけどね。
この手のテーマで観てて居心地が良いのも珍しい
最終的に結ばれる、結ばれないではなく、愛し合っているときは幸せな関係をずっと見続けていられたという点である。
マイノリティ映画あるあるの、差別とか虐めとか理不尽さ、観るのつらいんですよ、悲しくて。でもこの映画はとてもフラット。エリオの両親の存在が大きいですね。癒されました。
エリオ両親の見守り方に共感
エリオの両親は、エリオとオリヴァーの関係に気づいていました。でも何も言わず、ただ息子を見守っていた。あの距離感が凄く絶妙で。
オリヴァーとエリオの一夏が終わり、エリオが悲しんでるところにお父さんがやって来ます。そしてエリアに語りかけるシーンが物凄く素敵です。
エリオとオリヴァーは特別な絆で結ばれていると、それは友情以上かもしれない。同性愛者だと、子供に冷静になるように願う親が多いが自分は違うと。いまはつらいだろうが、感情をなかったことにしてはいけない、感情を捨てると次に出逢う人に対する感情がその分減ってしまうのだと。心も体も一度しか手に入れられない。今はひたすら悲しくつらいだろうが、
痛みを葬ってはいけなきし、感じた喜びも忘れてはいけないと。
おお…すごいパパです。
でもどうやらパパは昔エリオと同じような経験をして、自分の気持ちに蓋をしたみたいですね。だからわかる気持ち。あと古代ローマの研究をしているという所も同性愛に対する寛容が伺える気がしました。
このお父さんのセリフを聞いた後に、映画のサブタイトルの「何ひとつ忘れない」が沁みますね…。
エンドロール、好き!
主人公の表情をずーと撮り続けているんです。(あのエンドロールは幸福な食卓を思い出しました)その前に、オリヴァーから電話で婚約すると聞かされ、悲しさやら喪失感やら、本人にしかわからない何ともいえない痛い気持ちが、伝わってきて。エリオの今の心情を、一分一秒私たちも一緒になって見続けるのです。贅沢です。
映画「リメンバー・ミー」※ネタバレあり
それは、時を超えて一家族をつなぐ、奇跡の歌
感想
★★★★
はぁ、、良い映画みたな、良い涙流したな。
メキシコの音楽×ディズニーすごく良かったです。そして主人公のミゲルがとても愛らしかった。
家族がテーマ
「忘れないで」を伝えるのが、毎度うますぎるピクサー映画ですが、リメンバーミーのテーマは家族の物語でしたね。家族の大切さは、わかっているんだけど一緒にいるときは中々噛み締められないのよね、近すぎて。
ミゲルの魅力
主人公ミゲルは家族想いの良い子でした。ディズニーでもあんな屈託無い純粋なキャラクターは珍しい。でも、ミゲルの真っ直ぐさが観てる人たちを心地の良いものにしたのは間違いないです。そして何と言っても、歌とギターが上手。惹きつける惹きつける…真っ直ぐで伸びがある綺麗な歌声は感動。
そしてあんな可愛い子どもが欲しい、、と思う年齢になりました 笑
今回の悪役は救いようがなかった
だいたいミスリードから始まりますが、ヘクターが父親か!て気づくのが遅い私は映画を存分に楽しませていただきました。
それにしてもヘクターの人生が可哀想過ぎる。才能も悪いやつに見つかったら、考えものやで…。ずっと孤独でチョリソー詰まらせて死んだって自身も皆んなも思っていて、どうゆうことやねん!!
本当デラクルスがかなりのクズっぷりでしたな。(自身の死に方もかなりあっけなかったが)
リメンバーミーで感じた先祖
ミゲル家は代々のご先祖様を皆んな知っている。だから、死後の世界でも生き続けていられる。しかし、自分の家族はおじいちゃん、おばあちゃんの先の先祖が思い出も勿論なければ顔も知らないです。伝統を受け継いでいません。でもそれが大切なんだなと自然と思わせてくれる。ディズニーは本当に上手ですよね。
そしてリメンバーミーの死後の世界は、生前の世界で自分のことを誰も思い出さなくなったら2度目の死が待っているというもの。これは、一般人であれば、自身も子どもを産んで、先祖継承をしていかないとだめなのよね。
ラスト 涙がぼろぼろ
ヘクターが2度目の死を迎えそうになるとき、それは自分の娘(ココ)の死が近づきているということであり、ココが死後の世界に行ったと同時にヘクターは消えて無くなってしまう…というシチュエーションになり得るというのがとても悲しいな、よく出来た残酷な設定だなと思いました。(だからこそ他の人の力が必要で、ヘクターが消えないように奮闘するミゲル達に泣けます)
そして、ミゲルが現世に戻り、ココにリメンバーミーを聴かせるシーンも泣けます。
ディズニー映画の中でもかなりのヒットでした。
映画「ボスベイビー」※ネタバレあり
見た目は赤ちゃん、中身はおっさん!!
あらすじ
パパとママと暮らす7歳の少年ティムの家に、黒いスーツに黒いネクタイを締めた赤ちゃん「ボス・ベイビー」がやって来た。ティムの弟だというその赤ちゃんは、まるで大人のように話すことができ、口が悪くて人使いも荒い。実は彼には、ある秘密の任務があり……。
感想
★★★
思ってたより面白かった!
(この期待値を低めにするのが、ボスベイビーをより楽しく鑑賞できるのではないかと。すみません 笑)
そして始めは憎たらしいボスベイビーがどんどん可愛く見える。ギャップにやられます。ふと見せる手がムチムチで悶絶。(意外とボスベイビーにハマっていたようです)
THE子ども向けムービー
子どもが心から楽しめる映画だと思います。
映画館で子ども達がギャハハと楽しそうに笑っていて、私も楽しかったです。
例えば、子ども時代に観てハマって、大人になって「よく観てたなぁボスベイビー」って思える作品かなと。例えば、我が子が何回もボスベイビーを観て、「うちの子はボスベイビーを何回も観ていたなぁ」と思える作品かなと。
「そうではない大人は?」というと、「大人も内にある子ども心を引き出して、気楽に楽しく観てください」と言うことです。
ボスベイビーのキャラクターにハマる
オープニングで、赤ちゃん達が、家族へ送られるか経営に回されるか、まさかのくすぐりで振るいにかけられるシーン。ユーモアに富んでますね。一切笑わなかったボスベイビーはさっと経営に回されました。だからボスベイビーなんですが。(しかし本当は足をくすぐられるのが弱かったんですよね。ボスベイビー本人もティムにされるまで気づかなかったのですが、これ意外と深いなと思います。)
ボスベイビーの何が良かったのかと言うと、可愛い赤ちゃんの容姿でバリバリなビジネスマンのおっさんというギャップでしょうね。それだけでも観てて面白いですし、可愛い所がより可愛く見えてしまう。恐ろしい。
ティムとボスベイビー兄弟の絆
ある日突然現れた“弟”という存在によって、いままで自分に向けられていた親の愛情をボスベイビーに独占されてしまいます。初めはバチバチに対立していた2人ですが、ある日利害関係の一致から2人は協定を結びます。初めは嫌々ながらやっていましたが、いつの間にか2人とも満更でもなく楽しそうで、良いコンビに。2人の掛け合いはテンポ良くて面白い。ボスベイビーの毒づき、たまに見せる可愛さのバランスも良かったです。そしてティムはずっと可愛かったです。
blackbirdという曲
両親が子守唄でティムにビートルズのblackbirdを歌っていました。良い曲ですよね。
ボスベイビーにも歌う両親に対して、「これは僕の歌なのに!」と憤りを感じるティム。そこですかざす「これはお前の歌じゃなくてポールの歌」とさらっというボスベイビー流石おっさん。
そしてこの歌、終盤の大事なシーンでも使われています。ティムが一時的に本当の赤ちゃんになってしまったボスベイビーに対して歌います。あそこのシーン好きです。スマートな伏線の持っていき方できちんと見せ場も作っていましたし。blackbirdがもっと好きになりました。
ティムからの贈り物にうるっとくる
無事にミッションを終えて、ボスベイビーはベイビー社に帰還、お互い当初の願いは叶いました。しかし兄弟という絆ができた2人は、寂しさを募らせていきます。
ある日ティムはボスベイビーに手紙を送ります。「兄弟として一緒に過ごしていきたいと、もし愛情の容量が決まっていたとしたら、それを全て君にあげたいと」ティムはなんて優しい子なのでしょう。そしてダンボールの中には沢山のビーズが入っていました。
ここ、うるっときました。
ボスベイビーはティムと出会った当初、愛はゼロサムゲームである(一方が得点すると、他の誰かが点を失うゲーム)と、ビーズのおもちゃを使ってティムに諭しました。
しかしティムは、ボスベイビーとともに過ごしていく中で、ゼロサムではない事を感じました。2人になると喜びが倍になり、悲しみが半分になるいうこと。愛する対象が増えれば愛は沢山増えるということ。
それを、沢山のビーズをボスベイビーに送ることで伝えようとしたのです。
そして愛を知ったボスベイビーは、ラスト、ティムと兄弟になる事を選びます。
ボスベイビー、いい映画でした。感想書いているうちにまた観たくなりました。
ボスベイビーとティムの握手がまた可愛らしくて好きです。手を握るのか、ハイタッチするのか、グータッチするのか、お前どれやねん、とお互い迷いに迷って落ち着いたこの握手 笑