matsuko diary

映画感想ブログ

映画「ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ」※ネタバレあり

 異文化の壁を乗り越える2人に起こった、愛と笑いと驚きの実話f:id:osugi923:20180225173349j:image

 

 あらすじ

 パキスタン出身の男性コメディアンとアメリカ人女性のカップルが、結婚に向けて文化の違いによる数々の障壁を乗り越えていくさまを、実話をもとに描いたヒューマンドラマ。

パキスタン出身でシカゴに暮らすクメイルは、アメリカ人の大学院生エミリーと付き合っていたが、同郷の花嫁しか認めない厳格な母親に従い見合いをしていたことがバレて破局。ところが数日後、エミリーは原因不明の病で昏睡状態に陥ってしまう。エミリーの両親は、娘を傷つけられたことでクメイルに腹を立てていたが、ある出来事をきっかけに心を通わせ始め、クメイルもエミリーが自分にとって大切な存在であることに改めて気づいていく。

 

 感想

★★★★

「これって実話なのか!」とエンドロールで知りました。しかも主演をご本人自ら務めて、ヒロインも脚本で参加していたとは。特に事前情報は入れずに先入観なしで見ましたが、そのぐらいの情報は入れておけって感じでしたね。

とても良くできた作品であると共に、不思議な映画でした。 

 

前半、主人公2人の恋模様

始まりはよくあるストーリー展開です。クメイルとエミリーがお互い惹かれ合い、お付き合いする。良い時もあれば誤解や先入観からすれ違うときもある。f:id:osugi923:20180225173427j:image

でも2人とも基本素直で相手のことを思いやっているので、大きなトラブルになることもなく、それを象徴する一つのシーンがあります。

深夜にベッドを抜け出して慌てた様子で着替えるエミリー。それに気づいたクメイルはどうしたのかと訊ねると、急にコーヒーが飲みたくなって近くの食堂に行くと言いはじめます。クメイルがコーヒーを淹れると言っても拒み、夜道は危ないからついて行くと言い出しても拒むエミリー。クメイルはそんな彼女の行動と言動に戸惑いと不信感を抱きます。そしてエミリーは正直に言うのです。大便がしたいの!!と。「あーーそういうことね、クメイル彼女にそこまで言わしちゃった」とも思いかもしれませんが、わからないものはわからないのですよ。そこを隠さずに、その後喧嘩になることもなく、恥ずかしながらも正直に話したエミリーは良かったですし、良いカップルだと思いました 笑

 だからこそ、クメイルの嘘をもっと寛容してほしかったなとも個人的には思ったり。

文化の違い、しかも家族が関わる問題って本当にデリケートなので、嘘をついていたことはいけない事ですが、言えなかったという気持ちもわります。エミリーの感情爆発も凄まじく、それで破局してしまったクメイルが少し可哀想だとは思いました。

 

 両親達の関係

破局後、エミリーは原因不明の病を患い昏睡状態に。その時にクメイルはエミリーの両親と出会い、初めは敵視(特にエミリー母 笑)されるのですが、徐々に心を通わせていきます。f:id:osugi923:20180225173456j:image

エミリーの両親の関係はよろしくないです。仲良くないというか、上手くいってないんだろうなと。それは後半、エミリー父がクメイルに話した事で発覚するのですが。どうやらエミリー父は一度浮気をしたようです。

長年連れ添うと何があったわけでもなく愛が冷める、、ではなく歴とした理由があったとは。

その時に「その人が生涯を共にしたい相手かどうかは自分が浮気をしたときに気づくんだ。浮気したとき最悪の気分になるから」とさらっと重たいことを言うんですよ。

手っ取り早いと思いますけど、その代償は凄まじいものがありますね。

あの夫婦の関係が後半マシになるのは本当クメイルのおかげです。f:id:osugi923:20180225173502j:image

 

クメイルが忙しすぎる

さて、主人公クメイルは大変なんですよ。エミリーが原因不明の病気になり、クメイルも病院に通う日々です。そこでエミリーの両親達のゴタゴタに巻き込まれたり、また仕事では大きなチャンスを掴めるかもしれない大事な時であったり、また自分の家族の問題等、複数の重たい問題が一気にのしかかります。f:id:osugi923:20180225173510j:image

実際、エミリーの問題は避けることはできたはずなんですが、クメイルにとって彼女の存在は一番大切なんだろうと思いました。

クメイルの精神状態がピークの時、ハンバーガー屋のドライブスルーでイライラを爆発させていましたけどね。ゴミ箱を倒して中のゴミは出ちゃったりモノに当たるのですが、その後我に返り、「sorry」と謝りゴミ諸々拾います。いい奴なんです。

 

 クメイルがこの困難を乗り越えられた訳

鑑賞後に読んだクメイル役のクメイル・ナンジアニと、エミリー・V・ゴードンご本人達のインタビュー記事に書いてあった内容です。

↓記事抜粋
原因がわからない以上、エミリーがいつ目を覚ますのか、そもそも目を覚ますことがあるのか、クメイルも両親もまったくわからない。そこで彼らが戦う最大の敵は“悪い想像”だ。「なぜポジティブに行動出来たのか? なぜ僕たちがすべての困難なことに打ち勝つことができたのか? その理由は、それだけの価値があったからだと思う。ある時点で“この人は、戦うだけの価値がある。この人は、これらすべての困難に打ち勝つ値打ちがある”と思わないといけないんだ」

個人的な話ですが、私はいま、ある生命体を幸せにしようと奮闘していて。自分の身を削るこの選択が、正しいのかどうか自問自答する日々を過ごしています。幸せな時もありますがとても辛い時も多いのです。なぜ私は辞めようとしないのか、どうしたら辞めようと思えるのかと考える時もあります。

そしてこの記事を読んで気が付きました。それでもその生命体を手放さないのは「それだけの価値があるから」だ。この先どんな結果になろうとも、今の選択を選び続ける価値が今存在しているんだと。
よく考えると当たり前のことかもしれませんが、私の心にすとんと落ちたのです。

 

終始、不思議な映画だなぁと思った訳 

不思議な映画だと思いました。なんだろう?と思っていたら、上記と同じインタビュー記事を読んでこれだと気づきました。
↓記事抜粋

通常であれば、この種の出来事が実写化される際は“難病もの”としてシリアスに描かれるか、異文化の壁を超える劇的な恋愛ドラマとして感動を煽る展開が盛り込まれていたりする。しかし、ナンジアニとゴードンは、本作に“コメディ”の要素をたっぷりと盛り込んだ。「僕は社会的な問題や人種差別の問題、どんな問題であっても、そういうものに取り組む最良の方法は、コメディでやることだと思うんだ。そうでないと、何か教訓を与えようとしているように感じられるし、自分のことをあまりにもシリアスで重要に取りすぎているように感じられる。コメディは、そういう社会的な主張とかを世間に示すための素晴らしい方法だと思う」(ナンジアニ)「私たちはふたりとも、ストレスの多い状況にいる時にジョークを飛ばす傾向がある家族から来ているの。それはただ、私がそういうふうに物事に対処するように育てられたということよ」(ゴードン)

 

確かに内容はシリアスですし、しかも実話であれば尚更。でもそれを感じさせず、それよりも2人の関係や、両親の問題、仕事の話…主人公たちを取り巻く環境に、凄く自身の経験を投影していました。それができる絶妙なバランスの作品でした。だから偶に垣間見れる、エミリーの命の問題がアクセントとなり、不思議な気分になりました。

 

ラストの二人の会話もよかったなぁ。
好きなシーンです。f:id:osugi923:20180225173525j:imagef:id:osugi923:20180225173528j:image

 

 

映画「シェイプ・オブ・ウォーター」※ネタバレあり

切なくも愛おしい 愛の物語f:id:osugi923:20180321155949j:image

あらすじ

1962年、冷戦下のアメリカ。政府の極秘研究所で清掃員として働く女性イライザは、研究所内に密かに運び込まれた不思議な生き物を目撃する。イライザはアマゾンで神のように崇拝されていたという“彼”に心を奪われ、こっそり会いに行くように。声が出せないイライザだったが、“彼”とのコミュニケーションに言葉は不要で、2人は少しずつ心を通わせていく。そんな矢先、イライザは“彼”が実験の犠牲になることを知る。

 

感想

★★★★

ギレルモ風、ラブストーリー。ハラハラしながらもラストの着地は良かったです。f:id:osugi923:20180321160120j:image

 

マイノリティな登場人物たち
イライザは声が出せない、イライザの隣人ジャイルズはゲイ、イライザの仕事仲間のゼルダは黒人女性。そして3人は謎の生物を助けるために、マジョリティ(マジョリティの仮面を被った怪物なんですがね)と戦うのです。f:id:osugi923:20180321160032j:image

時代設定からも、人種差別、性差別が激しくマイノリティが生きにくい時代。
「彼を助けないなら、私たちも人間じゃない」というセリフは、ぐっときました。f:id:osugi923:20180321160017j:imagef:id:osugi923:20180321160020j:image

 

イライザの恋

謎の生物に恋するイライザ。「彼は不完全な私ではなく、ありのままの私をみてくれる」「あなたは知らないでしょう、私がどれほどあなたを愛しているのか」イライザが謎の生物に恋する感情がしっかりと表現されています。ああ、これはラブストーリーなんだと実感しました。そして愛することは幸せであると同時に孤独であることがしっかり描かれている、大人のラブストーリーですね。

 

 

謎の生物の正体とは

半魚人のような謎の生物ですが、個人的にはとても受け入れやすかったです。綺麗なスタイルだなぁと思いました。ギレルモ監督なので逆に構えてしまいましたが…もっとイカしたビジュアルかと思うじゃないですか 笑
そして彼は神に近い存在でしたね。傷を治したり、髪の毛を生えさせたりする描写がありましたが、死んだものをすぐに再生できるとは。神の能力ですよ。f:id:osugi923:20180321160224j:image

 

怪演、マイケル・シャノン

f:id:osugi923:20180321160304j:image久々にパンズラビリンスの将軍が暴走するシーン「うわ、うわ、ぎょえ〜」(目を逸らしたくなる)という感情を思い出しました。勿論マイケル・シャノン演じるストリックランドのシーンです。今回の悪役ポジションですが、怪演、狂気、人間の皮を被った怪物、とにかく怖いです。

今の地位からの転落が危ぶまれた時、彼の暴走は止まりません。その彼も駒の一つにしかすぎないのですが。実質、彼の上司に追い詰めるわけで、その上司も悪いやつですが、表面化はされないですよね。世の中闇ですよ。

 

ラストはギレルモ風ハッピーエンド

監督は怪物とか不思議な生物が大好きじゃないですか。そんな生物と人間のラブストーリーを描きたいとおっしゃっていましたよね。そしたら絶対ハッピーエンドにしてくれるはずた!という想いを胸に鑑賞した訳ですよ。(一応バッドエンドでも大丈夫な様に程々の期待で)

そしたら最終的には、悪役はやられますし、主人公のお友達たちは死なずに済みましたし、主人公たちは晴れて結ばれて一緒になりました。めでたしめでたしではないか。f:id:osugi923:20180321160338j:image

 

しかしモノローグで語られた、「愛と喪失の物語」の“喪失”を意味するものがはっきりとわかりませんでした。ん〜それを教えてくれれば見方が変わるかもしれないのですが、わからないのでこれにてハッピーエンドという事にしておきました。f:id:osugi923:20180321160010j:image

 

映画 「スターウォーズ/最後のジェダイ」 ※ネタバレあり

スターウォーズシリーズⅧ。ルーク・スカイウォーカーの今、レジススタンスの未来は―     f:id:osugi923:20171227114727j:image

あらすじ

遠い昔、はるか彼方の銀河系で…。

銀河帝国軍の残党ファースト・オーダーと新共和国のレイア・オーガナ将軍が率いる私設軍隊レジスタンスの戦闘が激化。行方が分からなくなっていた伝説のジェダイルーク・スカイウォーカーが発見され、戦況が好転するかに思われたが、予想以上に攻撃が激しいファースト・オーダーにレジスタンスの戦士たちは押されていた。

 

 感想

★★★★

楽しかった!!!

(スターウォーズ大好きなんですよ。キャラクター達とも長年のお付き合いなので、好き補正がかかってしまうのですよ。)

オープニング、そしてスターウォーズの世界観を大スクリーンで観れたらもうオッケー(パイレーツ鑑賞後と同じ事言ってた)f:id:osugi923:20171227115807j:image

 

 

カイロ・レンの安定した情緒不安定さf:id:osugi923:20171227114752j:image突っ込みどころ満載で、SNSではぼっちネタで大人気のカイロ・レンですが、今回も情緒不安定です。この人に関してはカイロ・レンを演じるアダムドライバーって凄いな、この複雑骨折したベイダーファンという超難しく受け入れ難い役を成り立たせているなんて、という思いが強いです。

アダムの顔立ちも絶妙ですよね、よくこの人をカイロ・レンにしてくれた!

新シリーズの主要メンバーの人選に関しては、私は大満足ですよ。

 

レイはどうなる?f:id:osugi923:20171227114758j:image
レイはやはり捨て子だったという事実を作品では言ってましたが「そんなバカな」と思っていますよ。それはミスリードか、もしくは両親では無くおじおばが凄いフォースの持ち主説とかね。(ネット上ではレイの家族やスノークに関して色んな憶測が飛び交っていますし、中々面白い考察ですが、こればっかりは完結を待つしかありませんね)

 

 

レイア姫は凄いよf:id:osugi923:20171227115817j:image

レイアの凄さを感じたのが8かなと。

そもそもこの続編を観て一番偉大さを感じたのはキャリーフィッシャーの演技だと思います。

新シリーズ関連でのレイアは、美味しい演出が多いと思います。ローグワンのラストも最高だし、今回の8では4でR2に託したレイアの救援メッセージが映し出される下り、そしてルークとの再会した本作のラスト。

なのでキャリーフィッシャーが亡くなってしまった事が本当に残念です。ハンソロはいないし、ルークもフォースとなったし、レイアは次回も出演して欲しかった。次回作どうなるのだろうか。

 

マスター・ヨーダ先輩
ルークの前に突如登場しましたね。今回のヨーダ、旧作の方に近いけど古臭くない感じが絶妙なビジュアルでよかった。
そして相変わらずの笑い方でしたが、「これこれヨーダってこういう人!」て懐かしくて嬉しかったなぁ。また隣にいるルークがおじいちゃんになっているのも俯瞰的に観てジーンときた。時が経ったんだなぁ、と。

 

 

ルークが悲しいf:id:osugi923:20171227114807j:imageやさぐれてます。でもルークって変わらない。若い時から子供っぽいというかまぁ純粋なので、カイロ・レンがシスに堕ちた時も自分を責めて、身を潜める…(というかシスに堕ちる前に消そうとしましたが…)うむ…笑

ただカイロレンは既にスノークとつながっていた様な事をルークは言ってました。その繋がった詳しい過去は次回わかるのでしょうか。

そしてラスト、ルークは実体が消えていましたね。フォースとなり、霊体として魂だけは生き続けるということでしたっけね。

クワイ=ガンジンが習得し、オビワンやヨーダ先輩も習得したんでしたっけね。

ルークはクワイガンやオビワン、ヨーダや父親(アナキン)と会えたのでしょうか。

 

 

 

とにかく、スターウォーズ新作を観れる時代に生きてて良かったです。

4〜6をDVDで観て純粋にハマり、1〜3で物語の深さを知り、そして7〜娯楽映画としてまた純粋に楽しんでいます。その間にスピンオフまで観れてこんな最高な事はないです。f:id:osugi923:20171227114825j:imagef:id:osugi923:20171227115928j:image

映画好きには良い時代です。

映画好きな感性を持ってて良かったです。

次回作、楽しみだ。

 

 

 

映画「ソードアート・オンライン-オーディナル・スケール-」※ネタバレあり

テレビアニメ「ソードアート・オンライン」の劇場版。原作は川原礫によるライトノベル

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あらすじ。

テレビアニメ版では、謎の次世代オンラインゲーム「ソードアート・オンライン」の仮想空間に閉じ込められ、ゲーム内での死が現実世界の死に直結するデスゲームが始まってしまう。主人公キリトが、仲間とともにゲームクリアを目指して奮闘する姿を描いた。

今作は、VR(仮想空間)世界へのダイブ機能を排除した代わりに、AR(拡張現実)機能を最大限に広げた最先端ウェアラブル・マルチデバイス「オーグマー」が発売され、「オーディル・スケール」と呼ばれる専用のARMMO RPGによって、オーグマーは瞬く間に世間に広まっていく。アスナたちもプレイしているそのゲームに、キリトも参戦しようとするのだが、オーグマーにはある陰謀が隠されていた。

 

 

感想。

★★★

いや〜〜、面白かったねぇ

後半は食い入るように見てました。

 

 アインクラッド編の残酷さを再確認

今作は、ゲームをクリアしないと現実世界に戻れないどころか、ゲーム内の死は現実世界の死に直結する恐ろしいデスゲームでの犠牲者のパパが黒幕です。(初っ端かなりのネタバレ失礼します)しかもそのパパがオーグマーの開発者。

ちなみにSAO犠牲者は4千人もいたらしく恐ろしすぎます。

今作は、その事件の犠牲者の家族や関わった人達(本人も含め)にフォーカスが当たり、あの事件の悲惨さを改めて実感するわけです。

 

バトルシーンかっこよすぎる

訳あってボス戦をやりまくるので、とにかくバトルシーンが沢山あります。 

ボス戦の時にユナが歌う曲なんか、「Fate zero」でも始まるのかと思うぐらいのイントロでテンション上がりました。あの曲が流れながらあのバトルシーンは迫力ありますし映画館で観る価値ありです。梶浦由記さんの音楽はかっこいいです。
後半、アスナのピンチでキリトの目がいっちゃてますがあれも通常営業ですね。キリトはやはり最強でした。あと今作でユイも最強だと思いました 笑

 

神田沙也加さんの演技・歌声が素晴らしすぎる

神田沙也加さん凄すぎます。

ユナの声優も勿論、あの歌声があ〜〜、圧巻

SAO時代のユウナも良かったなぁ。悲惨なSAO世界にユウナがいたんだなあと、歌を歌っていたんだなあと思うとうるっときます。最終的には死んでしまうのが分かっているので辛いです。

そしてユウナの事が好きだったエイジはなんか、、可哀想だなぁと思います。ユナのパパに良いように使われてただけですしねぇ。ただのチートでしたしねぇ。

 

 

最後に

キリトとアスナの恋模様も勿論健在ですし、物語に大きく関わっています。アスナのSAO時代の記憶がなくなってしまったときに、キリトがこのままの関係でいられなくなるかもと危惧するのですが、

実際、記憶が取り戻せなかったら破局する可能性大だと思いました。お互いが出会い、苦楽を共にし、それを経て信頼し合い結ばれたという記憶が無くなるわけですから。好きになったきっかけが無ければ、今後二人の間に何かがあった時、アスナはキリトとずっと一緒にいたいと思えるか謎です。

この2人については他にも色々突っ込みたいシーンがありましたが長くなりそうなので割愛します 笑

 

とにもかくにも、 エンドロール後に続編を匂わせる終わり方をしましたね。

次回作も楽しみです!!

 

映画「博士と彼女のセオリー」※ネタバレあり

ホーキング博士(彼)と彼女の愛の物語

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あらすじ

 

 感想

★★★

エディ・レッドメインの演技に圧巻

この作品で、アカデミー主演男優賞受賞しましたね。病に侵されるまでのスティーヴンと、病気になってから、そしてどんどん進行していくにつれての演技の幅に度肝抜かれましたよ。

肉体的にぎこちない体勢を取らないといけなかったし、あの体勢や仕草、表情を撮影中はずっと維持してるわけで、相当身体にガタがきそうだな…とみてて心配になるぐらい凄かったです。

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フェリシティ・ジョーンズの強さ

綺麗ですよね。目力ありますし、芯の通った強い女性ははまり役です。

服と髪型とメイクに、表情や雰囲気をプラスして年齢にあったジェーンを演じ分けていたとは思いますが、年の重ね方も全く違和感がなくて凄いですね。

特に服装はどれも可愛かったなぁ。参考になります。f:id:osugi923:20170528003811j:imagef:id:osugi923:20170528003815j:imagef:id:osugi923:20170528003820j:image

 

 ジェーンの気持ち

愛する人が難病を患っているのを承知で結婚をした。でもその病はどんどん進行、自分1人だけでは支え切れなくなる。

そんな孤独の中で出逢った男性の存在に支えられて、やがて互いに惹かれ合う。

ジェーンの気持ちもわかります。スティーヴンの介助、育児、家事、自らの学業と、彼女の負担は日に日に大きくなり、精神的にも追い詰められていく。

でも個人的には、好きで一緒になった(結婚した)、長年連れ添った相手と最後まで一緒にいたいと想い続けて欲しかったです。

 

スティーヴンの気持ち

ジョナサン登場で、ジェーンとの距離も近づいていることを感じているスティーヴンはどんな気持ちだったんだろうと。

僕は理解する、反対はしないとジェーンに伝えるシーンはジェーンを思う気持ちに溢れていて。そこでそれを受け入れてジョナサンを迎えるジェーンですが。あそこで別の人に支えてもらう選択肢もあったわけで。なんとも言えないです、はい。

それ以前にALSという難病に侵されているわけですし。自身の身体がどんどん動かなくなる、まともにご飯も食べられなくなる、しまいには話すことも感情を表現することも困難になる…。そんな状況に不安や恐怖、怒りや憤りを感じないわけがありません。確かに病が発覚した時は取り乱していましたが、その後はあまり描写がないんですよ。ALSという病気のこともあり気持ちも伝えることができないというものありますが。

そして大事な人の心も離れていく。
もう考えただけでつらいですわ。

 

2人の和解のシーン

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ここのシーン好きなんすが、どうやらアドリブだったという事実を観賞後知りました。おどろき。小声で「ありがとう」と脚本にはない台詞をいうエディですが、これフェリシティは本当に聞き取れなくて「なんて言ったの??」て聞き返してたって事ですよね。 

なんという素晴らしい役者同士の化学反応ですこと…。

 

ラスト、感動

最後、成長した子供たちをみながらスティーヴンが「見ろよ 我々が創り上げてきたものを」とジェーンに伝えるのです。

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この台詞ジーンと来ました。いつの間にか子供たちが成長してる!という時間が経ったことに気づくのもそうなんですが、その前のスティーヴンのメガネをジェーンが自身の服で拭いてくれるところも過去とリンクしてて好きです。

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そして現在から2人が出会った瞬間まで時間を巻きもどすシーンは、心が揺さぶられました。泣きました。

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ロマンチックな演技が沢山あって、こんなシチュエーション素敵だなぁて思いながら観てました。 

 天才物理学者の話ではなく、難病を抱えた人の話ではなく、男女の愛の物語でしたね。

博士と彼女のセオリー」ふたりのセオリーとは…。色んな人の見解を聞きたいものです。 

 

ふと冒頭の、スティーヴンが自転車を漕いでるシーンを今見たら感動しちゃうだろうな、と時間を巻き戻して思いました。

映画 スイス・アーミーマン※ネタバレあり

無人島で出会った死体との交流を描いた奇想天外コメディf:id:osugi923:20171030221102j:image

 

 あらすじ

 「ハリー・ポッター」シリーズのダニエル・ラドクリフが死体役を演じ、「リトル・ミス・サンシャイン」「ラブ&マーシー 終わらないメロディー」などで知られるポール・ダノ扮する青年が、死体を使って無人島からの脱出を試みる様を描いた異色のサバイバルコメディ。

遭難して無人島に漂着した青年ハンクは、絶望して命を断とうとしたとき、波打ち際に男の死体が打ち上げられているのを発見し、奇妙な関係性を築いていくというなかなか狂気なストーリー。主人公は死体の超人的な使い道に気づき、島からの脱出を図ります。死体からはガスが出ており、浮力があることに気付いたハンクは意を決し、死体にまたがり無人島脱出を試みるが……。

 

感想

★★★

発想が凄い、面白かった!

まず、あらすじ読んでも、なんのこっちゃって感じですし、死体との交流ってなに?みたいな。それを解き明かすとすべてのネタバレになってしまうのですが、設定がとにかく面白かったです。

 

死体なのに喋る!!

主人公ハンクは、無人島で命を絶とうとした時に、波に打ちひしがれてる死体のメニーと出会います。f:id:osugi923:20171030221602j:imageしかしこの死体凄いんです。

体内にたまった腐敗ガスの影響で、おならをしまくるんです。「死体がこんなにおならしてるよ!!」て 笑

で、そのおならのガスを原動力にして、ジェットスキーのようにして無人島を脱出するんですよ。   映画のポスターは本編でも使われていたとは。しかもこのシーンでタイトルバックが出る演出なのですが、ここで心掴まれました。(馬鹿げてるけどなんだこのワクワク感は!これから何が始まるんだ!)f:id:osugi923:20171030221609j:imagef:id:osugi923:20171030221611j:image

このあとも、メニーは喋るし、水を身体に溜めてシャワー代わりになったり、髭剃りの機能も果たしたり…多機能な死体なんです。f:id:osugi923:20171030221152j:imagef:id:osugi923:20171030221244j:image

 

 

ハンクにとってメニーの存在とは

主人公のハンクと死体のメニーとの交流が軸に描かれていますが、メニーは会話の最中に下ネタを連発します。デリカシーがない、恥ずかしい、とハンクはメニーに対して抱きますが、メニーと行動を共にするうちに徐々に変化が生まれます。f:id:osugi923:20171030225845j:image

ハンクは、現実社会で生きにくさを感じていた。自身のコンプレックスから、自分の居場所を、存在意義を見いだせないハンクにとって、常識にもモラルにも囚われないメニーの存在をがハンスに生きやすさをもたらすのです。最高の相棒を得たことによって、人生の楽しさを教えてくれたのです。f:id:osugi923:20171030225827j:image

 

ラスト、感慨深い

このファンタジーに潜む現実をどうやって締めくくるのか。ラストどうなるのかと思っていましたが、かなり良いラストでした!

二人は文明社会に戻ることができます。

でもファンタジーの魔法は現実によって解けてしまうのです。メニーは本当の死体となり、動かなくなり喋らなくなります。

メニーとの交流で常識やモラル、世間の目から解き放たれたハンクですが、また現実を突きつけられるのです。あんなに戻りたかった文明社会だったのに、ハンスはそれを受け入れることができず、また2人の世界に戻ろうとするのです。もう今までの彼とは違います。f:id:osugi923:20171030225916j:imageそして最後メニーとの別れのシーンは……ジーンときますがクスッと笑っちゃいました。メニーらしい、良いラスト。スイスアーミーマンの世界観は崩れることなく、ほっこりする作品でした。

 

ダニエルラドクリフ×ポールダノのコンビ最高でした。

 

追記

私が川沿いを知り合いと散歩した時のこと。人通りが少なく、静かで、自然があって、開放感がありました。その時間はリラックスしていて、人目を気にせずバカやったり、自分の素が出ていました。

目的地に近づいて、駅が近づいてきて、人が多くなって、賑わい、都会になった時、急に我にかえった感覚になりました。仮面を被る、よそよそしくなった感じになるという気分でしょうか。「現実世界に戻ってしまった…」「これが個性を失うという事か…」と呟いたと同時に、スイス・アーミーマンを思い出した私であった。

映画 ドリーム ※ネタバレあり

夢を諦めない女性たちの、勇気と感動の実話

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あらすじ

1962年に米国人として初めて地球周回軌道を飛行した宇宙飛行士ジョン・グレンの功績を影で支えた、NASAの3人の黒人系女性スタッフ、キャサリン・ジョンソン、ドロシー・ボーン、メアリー・ジャクソンの知られざる物語を描いたドラマ。ソ連アメリカの宇宙開発競争が繰り広げられていた61年、米バージニア州ハンプトンにあるNASAのラングレー研究所に、ロケットの打ち上げに必要不可欠な計算を行う黒人女性グループがいた。なかでも天才的な数学の才能をもつキャサリンは、宇宙特別研究本部の計算係に抜てきされるが、白人男性ばかりのオフィス環境は、キャサリンにとって決して心地よいものではなかった。一方、ドロシーとメアリーもそれぞれ、黒人であるというだけで理不尽な境遇に立たされるが、それでも3人はひたむきに夢を追い続け、やがてNASAの歴史的な偉業に携わることとなる。f:id:osugi923:20171104131943j:image

 

感想

★★★★

この実話に勇気をもらいました。

様々な困難が立ちはだかろうとも仲間と共に夢を諦めない姿。主人公達の勇気ある行動に胸を打たれました。

 

主人公達の試練

当時、依然として白人と有色人種の分離政策が行われていた時代で、白人と非白人で分けられた様々な弊害が彼女達を苦しめます。

もちろんトイレもその一つ。

特に印象的なのが、主人公キャサリンが、職場でトイレをするために、往復1.6キロ、40分かけて行くシーン。近くにあるトイレは白人用しかなく、非白人用のトイレは遠くにあるため、時には大雨に見舞われながらもキャサリンは全力疾走します。f:id:osugi923:20171104123104j:image

この状況どうにかしてほしい!!

職場のコーヒーも白人用と非白人用に分けられる始末。しかも非白人用のポットには一ミリもお湯は入っておらず…。

こんないじめだ!て気持ち悪くなるほどの憤りを感じても、当時は国がそれを認めていた。そういう時代。今じゃ考えられないが、そういう教育を受けてそれを受け入れることが当たり前だった。

それでもひたむきに生きるキャサリン達をずっと応援していました。

人種差別なんかしてるから有能な人たちの才能を見出せず、ソ連に先越されたんだぞ!とか鑑賞しながら内心怒り心頭してました。

 

主演3人がNASAでそれぞれの地位を確立していく姿

キャサリン・ジョンソンの場合f:id:osugi923:20171104131919j:imageまずキャサリンは、直属の上司に恵まれていましまね。その間に入ってる野郎が中々頭固くてイライラしましたが、その上司はキャサリンの才能をかってくれたし、トイレ問題やコーヒー問題を解決してくれましたね。f:id:osugi923:20171104123408j:image

計算係の枠を超えて、キャサリンNASAに貢献していくのですが、宇宙特別研究本部での仕事も新たな計算機械、IBM登場により元の部署に戻ることになります。

ドロシー・ボーンの場合f:id:osugi923:20171104123206j:imageドロシーは管理職の道を進もうとしていましたが、上司に問いただしても、気にも止めてくれませんでした。やがてIBMが導入されることになり、彼女達の仕事がなくなるピンチにもドロシーはチャンスに変えてやってのけます。時代の変化を察知して先を見通す、新しいしことを勉強するドロシーのひたむきさ、また自分だけではなく仲間達の事も考えながら行動する彼女の素晴らしいところでした。 f:id:osugi923:20171104123305j:image

メアリー・ジャクソンの場合f:id:osugi923:20171104123508j:imageメアリーははエンジニアを志しているが、黒人である自分には叶わぬ夢だと半ば諦めていた。上司の勧めでエンジニアを目指すことを決意しますが、それに必要な資格が白人しか通えない高校でしか取れないという事実を知る。

普通なら諦めてしまいます。法がそう定めているなら絶対無理だと。しかし彼女は法律を変えるために立ち向かうのです。「前例がないなら私が作る」と。

強すぎる!不可能な事って自らが決めてしまうことが多くて自分自身で可能性を狭めてしまっているんだと本当思います。社会や時代の所為にしがちですが、彼女達を見ていると本当に恥ずかしくなる。もっと頑張ろうと勇気をもらいました。

 

人種は関係ない、機械には負けない

ラスト、ロケット発射前に宇宙飛行士のから、キャサリンが計算して間違ってなければ飛ぶという発言により急遽キャサリンが計算をする。そして、は言うのです。機械より人間の方が安心できると。
いいセリフです。

彼にとってキャサリンは、有能で信頼できる人物なのです。人種や機械の壁を超えるキャサリンの技術の賜物です。

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久々にど直球の良いヒューマン映画を観ました。邦題の「ドリーム」私は好きです。彼女達の夢そのものが映画に反映されていたから。

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