matsuko diary

映画感想ブログ

映画「アメリカン・アニマルズ」※ネタバレあり

普通の大学生が起こした、普通じゃない強盗事件

ポスター画像

あらすじ

2004年に4人の大学生が時価1200万ドル(約12億円相当)のビンテージ本強奪を狙った窃盗事件を映画化。ケンタッキー州で退屈な大学生活を送るウォーレンとスペンサーは、くだらない日常に風穴を開け、特別な人間になりたいと焦がれていた。ある日、2人は大学図書館に保管されている時価1200万ドルを超える画集を盗み出す計画を思いつく。2人の友人で、FBIを目指す秀才エリック、すでに実業家として成功を収めていたチャズに声をかけ、4人は「レザボア・ドッグス」などの犯罪映画を参考に作戦を練る。作戦決行日、特殊メイクで老人の姿に変装した4人は図書館へと足を踏み入れ……。

 

感想

★★★☆☆

これ、実話なんだ。

またまた予備知識を入れずにみると起こる最近の現象。笑

ポスターや予告のポップでかっこいいイメージとは異なり、実在の本人たちも登場するから、「世界が仰天!」の豪華版みたいな、ドキュメンタリー映画のようでした。クリックすると新しいウィンドウで開きます

 

強盗事件を計画する過程はまるでフィクションのような、青年たちのやんちゃな冒険心がこころくすぐるオーシャンズシリーズのような感じ。

それに乗ってしまいそうになるが、「これ実話なんだよね…」と思っては、心配になる。

どんどん計画が本格化し、現実味を帯びてくる。後戻りできない、でも怖い、というような人生の選択に迫られる辺りから妙にリアルで。

「もしこっちを選択したらどんな人生が待っていたのだろう」しかしそのリスクが高すぎる。

一度、強盗事件は失敗に終わる出来事も、やはりノンフィクションを感じさせずにはいられない、ハラハラ感。この青年たちはどうなってしまうのだろうかという不安。

そして事件は起こってしまった。

人を傷つけてしまったのだ。

やってしまった…。

これはエンターテイメントではない。教訓のドキュメンタリー映画だ。

人は今の人生を変えたいと思ったとき、この日常から逃れたいと思ったとき、非日常という刺激的なものがほしくなる。ただ、それを理由に間違った行動をとってはいけないということ。

危険を冒してみたい、ドキドキ感を味わいたい、生きている実感を味わいたい。

方法はさまざまであるが、罪を犯してはいけない、人を傷つけてはいけない。

道徳的な話ではあるが、人として間違ったことをしてはいけないという教訓の映画である。

本人たちが出演し、どういう思いでこの映画と向き合ったのだろうか。

あの出来事を映画として、世の中に公開する。知らなかった人たちが自分たちのことを知るようになる。しかもそれは名誉ある栄光なことではなく、不名誉とも言わざる負えないこと。

これは、女性では語れない。男性がみて、男性同士で語ってほしい。それをかいつまんで聞きたい自分。そんな作品。

 

映画「僕たちは希望という名の列車に乗った」※ネタバレあり

高校生たちのたった2分の黙祷が、国家を揺るがす大事件に発展する。心揺さぶる感動の実話。f:id:osugi923:20190608211636j:imageあらすじ

1956年、東ドイツの高校に通うテオとクルトは、西ベルリンの映画館でハンガリーの民衆蜂起を伝えるニュース映像を見る。自由を求めるハンガリー市民に共感した2人は純粋な哀悼の心から、クラスメイトに呼びかけて2分間の黙祷をするが、ソ連の影響下に置かれた東ドイツでは社会主義国家への反逆とみなされてしまう。人民教育相から1週間以内に首謀者を明らかにするよう宣告された生徒たちは、仲間を密告してエリートとしての道を歩むのか、信念を貫いて大学進学を諦めるのか、人生を左右する重大な選択を迫られる。

 

感想

★★★★★

胸が苦しい

高校生たちの純粋な気持ちからの行為が、国家を敵に回すことになるとは。

やはり残酷でしかない。戦時はもちろん、戦後の恐ろしさを実感した。

設定は違えど、群青劇の描き方がロビンウィリアムズ主演の「いまを生きる」に似てるなと思いました。あの作品もかなり考えさせられた名作。f:id:osugi923:20190608211916j:image

 

登場人物たちの想いが交差して、泣ける

主な登場人物にテオ、クルト、レナ、パウル、エリック5人の高校生たちがいます。

事が大きくなり、追い詰められていく中で、登場人物たちの葛藤の描写が、実に丁寧で繊細に描かれてるのが印象的。

育ちや家庭環境、そして何よりナチスドイツの傷跡がまだ色濃く残っている時代だからこそ、複雑であり、誰が良いか悪いかの範疇を超えたものがあった。

子ども達の純粋で真っ直ぐな気持ちに反する社会主義国家の闇。その圧力から、今までの見えなかった関係性がより一層対比となって深みが増し、そしてその儚さに涙が溢れた。

テオの人間臭さは最高にかっこよい

テオは、自分の意思を貫きたい気持ちと、家族の期待を応えたい気持ちが交差する。結果、ガールフレンドのレナがテオから離れていってしまうのは悲しかったな。テオは意思を曲げたのではなく、家族を守った。でも友達も裏切らない。家族想いで友達想いのテオは最高にカッコいいやつ。f:id:osugi923:20190608211652j:image

 

エリックは一番可哀想である

エリックの父親のくだりは衝撃的(写真が特に)で、1番胸を締め付けられた。悲しい。エリックの自尊心を支えていたものが一気に崩れた時、何を支えに生きていけばいいのかわからなくなる気持ち。只々つらい、涙が出た。

しかも散々、利用された挙句に最終的にエリックを陰謀者に仕立て上げようとした教育相も怖すぎる。不器用な人間が損をする構図をまじまじと見せつけられ、これが世の中の闇だと思いました。一番可哀想なのはエリックである。f:id:osugi923:20190608211703j:image

 

クルトは箱入り息子だと思う

クルトは結局父親に守られてたな、と思いました。正義感は強いし、自己犠牲を伴わない性格だろうけど、やはり本人の気づかないところで父親の存在が彼の意思を守る事ができた。(そういうのも本人は嫌そうたけど)そう思うと、家族を守りたいと想いから、自分の意思を曲げたテオの方が共感できた。(しかし年頃の女の子はその魅力がわからずクルトに行ってしまう)f:id:osugi923:20190608211715j:image

 

人として正しいこととはなにか

人として間違った行動をしたくはない。

そう思っていても、追い詰められると見失いそうになる事がある。

ラスト、そんな極限状態な中、彼らが出した決断には勇気と感動をもらった。

 

これは色んな人に勧めては、感想を聞きたい映画。

ベルリンの壁を取り巻く歴史の背景を、この映画をきっかけに知ることができたのもまた一つ学びになりました。

 

 

映画「グリーンブック」※ネタバレあり

差別の時代に挑んだ、黒人ピアニストとイタリア系用心棒の演奏ツアー

f:id:osugi923:20190407202951j:image

あらすじ

時は1962年、ニューヨークの一流ナイトクラブ、コパカバーナで用心棒を務めるトニー・リップは、ガサツで無学だが、腕っぷしとハッタリで家族や周囲に頼りにされていた。ある日、トニーは、黒人ピアニストの運転手としてスカウトされる。彼の名前はドクター・シャーリー、カーネギーホールを住処とし、ホワイトハウスでも演奏したほどの天才は、なぜか差別の色濃い南部での演奏ツアーを目論んでいた。二人は、〈黒人用旅行ガイド=グリーンブック〉を頼りに、出発するのだが─。

 

感想

★★★★☆

いい話たっだ。王道のヒューマンドラマ。実話をもとにしているからこそ心に沁みるものがあった。他の人種差別を取り上げた作品と異なるところも多々あり、それがこの物語の深みであり、語りたくなるところではないでしょうか。

次はフライドチキンを片手に観たいですね、はい。

 

 

トニーとシャーリーの友情物語

この物語は、ずばりふたりの友情の軌跡でしょう。合いまみえることのないはずのふたりが出会い、ぶつかり、そして絆が生まれる、王道ちゃ王道なんですが、そこに差別の問題や個々にある孤独、すくっと笑っちゃう演出など様々なスパイスが散りばめられていて面白いんですわ。

 

そもそもトニーは始め、黒人に差別意識があった。それを象徴するのが、自宅にきた黒人の清掃員たちが飲んだコップをこっそりゴミ箱に捨てるシーン。それに気づいた妻はちゃんとゴミ箱から拾い上げます。(妻がまた素敵な女性なんですわ)

なので、どんなに報酬が良くてもシャーリーの用心棒という仕事をはじめは嫌がっていたトニー。結局は、用心棒の素質を買われ、トニーの条件を飲んでシャーリーが雇ったわけですが。始めこそ、車内は不穏な空気が流れていたものの、シャーリーの天才的な演奏を聴いてから、トニーのシャーリーに対する気持ちに変化がみえ、それからはお互いの波長が合っていきます。フライドチキンやトニーが奥さんに書く手紙の件はチャーミング。f:id:osugi923:20190407203012j:imagef:id:osugi923:20190407203023j:image

差別の実情と気持ちの変化

そんな穏やかなシーンの中に、黒人差別の現実がふっと描かれている。それを受け入れている人たちが残酷に見えますが、これが当時の日常であり、またそれを思うといたたまれない気持ちになります。なんでこんなにも不条理な世の中なのかと、この手の話はいつも悶々とします。

そしてシャーリーと一緒にいることで、目の当たりにするトニーの心情は徐々に変化していくのです。

 シャーリーのだれも知りえない孤独

黒人でもなく、白人でもなく、どう生きるのが正解か

黒人差別が色濃く残る時代に、シャーリーは非常にまれなケースで、地位も富もあり教養も持っている。しかしほかの黒人たちとの交流はない。同じ黒人同士でも、シャーリーの着ている服や身に着けている装飾品、醸し出す雰囲気から、同種ではないと思われてしまう。無論白人からは、黒人であれば同じ人種ではないと思われている。そしたら自分はなんなのか。この状況が彼の孤独であり、(またセクシャルマイノリティもあり)誰にもわかりえないつらさである。その想いをトニーにぶつけるシーンでは、その人知れず抱えている深い孤独に気づかさせるのです。f:id:osugi923:20190407203428j:image

ふたりをみればわかりますが、結局は生まれがどこであれ、肌の色が違っても関係ないってこと。トニーもイタリア系というところから白人でありながらも少なからず差別を受けているところから、この二人には似ても似つかないところでどこか似た境遇を抱えているというところにもハッとさせられます。だからこそ共鳴したふたりなのかなとも思いました。

 

やっぱり、音楽っていいな

ツアー終了後に、立ち寄ったバーでの演奏シーンは最高によかった。はじめましての黒人の人たちとセッションし、心が通じ合う感じ。なによりシャーリーが楽しそうに演奏しているのが印象的。f:id:osugi923:20190407203952j:imagef:id:osugi923:20190407204001j:image

 

 

後日談。トニー役の俳優がまさかのアラゴルン役(ロードオブザリング)だったとは鑑賞中は知る由もなかったのである。それが一番の衝撃であったのは間違いない…

 

映画「ミスター・ガラス」※ネタバレあり

スーパーヒーローとは?シックスセンスM・ナイト・シャマランが描くサスペンススリラー

f:id:osugi923:20190204140229j:image

あらすじ

フィラデルフィアのとある施設に、それぞれ特殊な能力を持つ3人の男が集められる。不死身の肉体と悪を感知する力を持つデヴィッド、24人もの人格を持つ多重人格者ケヴィン、驚くべきIQの高さと生涯で94回も骨折した壊れやすい肉体を持つミスター・ガラス。彼らの共通点は、自分が人間を超える存在だと信じていること。精神科医ステイプルは、すべて彼らの妄想であることを証明するべく、禁断の研究に手を染めるが……。M・ナイト・シャマラン監督がブルース・ウィリスサミュエル・L・ジャクソン共演で送り出した「アンブレイカブル」のその後を描いたサスペンススリラー。同じくシャマラン監督作でジェームズ・マカボイ主演の「スプリット」とも世界観を共有する。

感想

★★★★★

見ごたえあったわ…。相変わらず、ハラハラする。そして何が待ち受けているか最後までわからない。「アンブレイカブル」、「スプリット」そして本作「ミスター・ガラス」、この3作品の集大成をみました。

が、ちょっと物足りなさを感じたのは、スーパーヒーローものにあるド派手なアクションがないからなのか…それを欲しがる自分が合ってないのか…(この作品には必要ではないのかもしれない)

ダークヒーローがもてはやされるようになった今、観終わった後に誰かと語りたくなることは間違いないです。

 

みんな集合!!

アンブレイカブル」のデヴィッド、ミスターガラス、「スプリット」のケヴィン、この特殊能力を持つ3人が集まった…!それだけでなんだかテンション上がる笑 

そして、デヴィッドの息子も続投!成長してる!

そして、ケイシーも続投(本作では前回にも増して魅力的)

なんか今まで違うストーリーにいたキャラクターが揃ってわくわくする感じ。アメコミでいうジャスティスリーグアベンジャーズといったところでしょうか。f:id:osugi923:20190204140245j:imagef:id:osugi923:20190204140252j:image

 

ヒーローとヴィラン紙一重

ヒーローはヴィランは対になる存在ではありますが、特殊能力を持つということでは同じ、つまり心が善か悪かの違いだけなんですよね。でもその違いこそヒーローものでは絶対的な違いですよね。

ただ人間って、主観的判断で善悪を決めるので両方持ちあわせている実に不安定な生き物なので、闇落ちする人もいますし(ダーズベイダーとか)、反対に善に回っちゃうパターンもありますし(ヴェノムとか?)それがフィクションであればドラマをより盛り上げちゃうもんですから。

この作品は、「ヒーローとはいったいなんぞや」、「善悪どちらにも行く可能性があるならヒーローも恐ろしい存在なのでは?」「そもそもヒーローってどうやってなれる?」と言ったものを問いかけています。SFとかファンタジーで片付けることなく、潜在的にある能力なんだよ、いやそれでも普通とは違う能力なんだよ、と色々論争が勃発したり、その過程で事件が起りたりするんですわ。

 

鳥肌たったわ…

ミスターガラスとビースト(ケヴィンが持ってる獣の人格)がヴィランとなり手を組んで、デヴィッドを倒しにかかるのですが、その最中にデヴィッドの息子がビーストにある事実を教えるシーンがあります。

そのある事実に鳥肌が立ちました。それは、ケヴィンの父親は、過去にミスターガラスが特殊能力者を探すために起こした列車の脱線事故に見立てたテロに巻き込まれて命を落としたということ。

つまり、ミスターガラスが父親を殺した犯人であり、23の人格を作った要因であること。(ケヴィンが持つ23の人格は、母親の虐待から身を守るために作られたものであり、その母の虐待は父の死によって悪化した)

そ・し・て、この脱線事故は、「アンブレイカブル」の冒頭、同じ列車にデヴィッドも乗っており、彼が脱線事故の唯一の生還者になるというわけです。

なんということでしょう!(ぞわっ)こんなところで繋がっていたとは…と鳥肌。

あの脱線事故により、ミスターガラスはデヴィッドが特殊な人間であることを悟り、デヴィッドというヒーローを目覚めさせた。(それが「アンブレイカブル」のストーリー)

あの列車の事故は、結果的にヒーロー(デヴィッド)とヴィラン(ケヴィン)両方を生み出していたことが発覚。それにもまた鳥肌。f:id:osugi923:20190204140307j:image

 

本作の本当の黒幕?あのクローバー集団はいったい何ぞや?!

 タイトルの通りですが、本作は新キャラクターとして、精神科医ステイプルが登場します。「スプリット」でケヴィンをみてた精神科医カレンさんとは全然違いますからね。これ今思うとミスリードなのかな…。まあ、セリフが精神科医の割になんか癇に障るなあとは思っていましたが、裏の顔がありましたね。

このお方、3人の特殊能力を末梢するのが目的。悪を裁くことはよくありますが、その悪と対峙するヒーローも末梢の対象。ヒーローも闇落ちするかもしれないし(流行りですしね…)とにかく秀でている人は危険人物と判断し、世界の平和と秩序を守るために結成された秘密結社みたいなところでしょうか。しかしそのやり方は過激なところもあるので、善ではないですし、セリフや描写からみるに黒幕として描かれていますね。f:id:osugi923:20190204140324j:image

それで思い出したのは、「ダークナイト」のジョーカー。バットマンというスーパーヒーローが現れると、それと対峙する(見合う)スーパーヴィランが現れてしまうという原理。それを見込んで今回のクローバーの秘密結社はヴィラン対策として、ヒーローも末梢するという考えなのでしょうか…。

しかしデヴィッドの死に方はあまりにも惨い。息子がかわいそう。

ミスターガラスはヴィランだが、秘密結社の目的を見抜き、見事勝利。そこは観ててスッキリしちゃいました笑 ミスターガラスの頭脳あっぱれです。

 

これは誕生の物語である

ミスターガラスが「これは誕生の物語なんだ」といっていましたが、とてもしっくりきて、腑に落ちましたね。なにがというと、そもそもシリーズものは一作目を超えるのが難しいものだと思っています。(たまに例外もありますが)

しかし本作は3作品観てより一層良い。一つ一つも面白いんだけど、3作すべて観たほうが絶対面白い。(と私は思っている)

起承転結の起承の部分を「アンブレイカブル」と「スプリット」が担っていて、ミスターガラスでようやく転結を迎えたような感じ。(と私は思っている)

さて、ラストでヒーローやヴィランの存在を世に知らしめたことによって、今後その特殊能力の原石があらわれるか…というところで物語は終了。

続編できないかな…とちょっと期待してます。f:id:osugi923:20190204140342j:image

 

 グッときた印象的なシーンは、「アンブレイカブル」のラスト、デヴィッドが息子に自分の能力は誰にも秘密だよとシーとサインするんですが、それが今回も過去のシーンとしてでできたところですかね。うるっと来ました。「アンブレイカブル」を公開当時にみた方なんかは懐かしさとか悲しさが一層込み上げて来るんじゃないでしょうか。(時間が立ちすぎていて忘れてる可能性も否めないですが)

 

 

映画「モリーズゲーム」※ネタバレあり

アスリートから高額ポーカーの経営者へ。スキャンダルが感動に変わった驚愕の実話。

f:id:osugi923:20190204134028j:image

あらすじ

トップアスリートからポーカールームの経営者へと転身した実在の女性モリー・ブルームの栄光と転落を描いたドラマ。モーグルの選手として五輪出場も有望視されていたモリーは試合中の怪我でアスリートの道を断念する。ロースクールへ進学することを考えていた彼女は、その前に1年間の休暇をとろうとロサンゼルスにやってくるが、ウェイトレスのバイトで知り合った人々のつながりから、ハリウッドスターや大企業の経営者が法外な掛け金でポーカーに興じるアンダーグラウンドなポーカーゲームの運営アシスタントをすることになる。その才覚で26歳にして自分のゲームルームを開設するモリーだったが、10年後、FBIに逮捕されてしまう。モリーを担当する弁護士は、打ち合わせを重ねるうちに彼女の意外な素顔を知るのだがーー。

感想

★★★★☆

主人公モリー・ブルーム演じるジェシカ・チャステインがとにかくしゃべりっぱなしでしたね。その早さの中に、これでもかと入れるセリフ。そして圧倒されていると、ふと出てくる、グッとくるセリフ。140分とは感じさせないほどのテンポ間ですが、私は好きでした。(海外ドラマ特有の絶妙な早いテンポ間が好きな人は特に必見。)

 

 モリーから学ぶ、家族の在り方とは

モリーの父親は厳格で、その父親との関係が無意識に彼女の人生に大きな影響を与えています。どんなにどん底を味わっても這い上がる。男達に負けない、勝つにはどうしたらいいか常に考え、迷ったり悩んだりしてた時間はほぼ見受けられませんでしたね。

 

クライマックスで、「3年分の診療を3分でる」父と娘の会話シーンはジーンとくるものがありました。

父親はモリーに対して負い目があり、それが厳格さを助長させていたようで。そりゃあ子どものモリーはそんな父親の影響をくれる受けるに決まってますし、だからこそのいまのモリーが出来上がります。

 

モリーから学ぶ、自分の信念とは

モリーは最後まで、自分以外の情報の開示を拒み、留置所生活を選択します。自分を犠牲にしてまで守る相手らじゃないのは弁護士に言われるまでもなく、(「君は独りぼっち。なぜ誰も礼をいいに来ない。おかげで助かった、俺にできることは?」)モリーも重々承知の上ですし、その相手の家族たちのことをモリーは心配していましたが、親切心というよりかは、それが彼女の「信念」なんでしょう。相手のためではなく自分がそうしたいから選んだ。

信念は、他人から理解しがたいものほど、頑固とか変なプライドとか、勿体ないとかで片づけられがちですが、私はモリーのラストの決断は観て、勇気づけられました。

自分の本心が評価されたときの感情と、自分の本心ではない意見が評価された時の腑に落ちない感情は全くもって異なる。

たとえ人からどう思われようとも、自分の心が満たされていれば人は幸せと感じるもの。(他人を忘れ私利私欲にまみれたらそれはそれで哀れですが。)

モリーの強く高潔な精神力には到底及びませんが、自分の譲れない信念は貫こうと、固く決意をしたのでした。(ちゃんちゃん)

f:id:osugi923:20190204133558j:image

 

 

映画 「ファンタスティック・ビースト 黒い魔法使いの誕生」 ※ネタバレあり

「ファンタスティック・ビースト」シリーズ第2弾f:id:osugi923:20181224203837j:image

 

 

あらすじ

ニュート・スキャマンダーは、学者として魔法動物を守るため、不思議な空間が広がるトランクを手に世界中を旅している。ある日、捕まっていた“黒い魔法使い”グリンデルバルドが逃亡する。ニュートは、人間界を転覆させようと画策するグリンデルバルドを追い、魔法動物たちと一緒にパリの魔法界へ向かう。

 

感想

★★★☆☆

なんだか怒涛の急展開でしたね。

知識の乏しい自身の頭だとストーリーについていくのに必死で、随所に「??」な所がありましたが、今後明かされるのでしょう 笑

鑑賞して、特に印象的なところだけを抜粋しました。

 

グリンデルバルドの脅威が迫る

1のラストでグリンデルバルドは登場しましたが(それまではグレイブスに化けていました)2は最初から最後までフル出場。魔法界を支配しようと信仰者を募り、動き出します。ニュート達の仲間も翻弄され、大変な事になります。

ハリーポッターと比較してしまうと、ヴォルデモート卿並みの恐怖や迫力が足りない気がする。まだファンタビ1の方が見えない脅威があってハラハラドキドキしたな。ジョニー・デップが演じてるからなのか、見慣れてる俳優さんだからなのか、ちょっとキャラクターに入り込みにくい。ダンブルドア先生も同じことが言えますね、はい。f:id:osugi923:20181224205439j:imagef:id:osugi923:20181224205446j:imageファンタビは知名度ありすぎな俳優さんじゃないほうがいい…。

 

女性キャラクターで見る、闇落ちの明暗

⑴クイニー

クイニーが闇落ちしたのには驚きました。

彼女は人の心が読めるというかなりの特質があり、(その能力故、グリンデルバルドに唆され闇落ちしましたが)その能力が彼女を苦しめていました。ジェイコブというノーマジと出逢い、恋に落ちますが、ノーマジとの関わりは罪となる為、グリンデルバルドの思想に乗っかり闇落ち。しかし口車に乗せられただけなので、完全に騙されてます。

1の時は、ニュートとティナのピンチを察知し、助け出す活躍を見せただけに、2の終わりは悲しかったな。ただそれだけ、彼女は闇の魔法使いにも重宝される存在であったことは確か。f:id:osugi923:20181224203921j:image

⑵リタ・レストレンジ

彼女は心に大きな闇を抱えていましたが、グリンデルバルドの思想にはのらず、ニュートやニュートの兄テセウスを逃して、自らを犠牲に亡くなります。ホグワーズでニュートに救われた事が大きかったのでしょう。

多分ニュートの存在が無ければ闇落ちしてたのでは…と思います。f:id:osugi923:20181224203926j:image

⑶ナギニ

彼女また大きな闇を抱えています。

クリーデンスと行動を共にする彼女ですが、そもそもハリーポッターで登場するナギニは、女性の姿はなく完全に蛇となり、しかもヴォルデモートの側近のペットでした。

これは一体どういうことか…、と調べたところ、ナギニは、人間の女性であり、マレディクタスという、母から娘に遺伝する「血の呪い」を持って生まれた女性であるということ。

この「血の呪い」とは、姿を動物に変身させることができる一方で、いずれは変身できる動物の姿のみ自分ではコントロールできないままに、永遠を生きることになる、という呪い。

つまりファンタビの時点では人間の女性の姿に戻れていたが、ハリーポッターの時点では、もう蛇の姿のみとなってしまっていた模様。

悲しすぎる結末…、しかし彼女はファンタビ2時点では闇落ちしておらず、ニュート達と一緒にホグワーズにいるダンブルドアの元へ向かいます。この先彼女はいつヴォルデモートと行動を共にすることになるのか…んー興味深い。しかし悲しい結末しか想像ができない。f:id:osugi923:20181224203935j:image

 

クリーデンスの正体とは

ラスト、最大のネタバレとして、クリーデンスがダンブルドアの弟であることが発覚します。ただ、グリンデルバルドがクリーデンスに言っただけで、そもそもハリーポッターに出る弟とは別の弟で始めて知る存在なため「え、本当に?」って感じで信じてない 笑

とにかく今後の展開が気になるところです。

 

 

さて、ニュートはラスト「つく側を選んだ」(グリンデルバルドと戦う)とセテウスにいっていましたし、本格的な決闘が今後行われていくのでしょう。

今後の展開が楽しみです。

映画 「ボヘミアン・ラプソディ」 ※ネタバレあり

伝説のバンド〈クイーン〉彼らの音楽を唯一超える〈彼〉の物語f:id:osugi923:20181231211712j:image

あらすじ

世界的人気ロックバンド「クイーン」のボーカルで、1991年に45歳の若さでこの世を去ったフレディ・マーキュリーを描いた伝記ドラマ。クイーンの現メンバーであるブライアン・メイロジャー・テイラーが音楽総指揮を手がけ、劇中の楽曲には主にフレディ自身の歌声を使用。「ボヘミアン・ラプソディ」「ウィ・ウィル・ロック・ユー」といった名曲誕生の瞬間や、20世紀最大のチャリティコンサート「ライブ・エイド」での圧巻のパフォーマンスといった音楽史に残る伝説の数々を再現するとともに、華やかな活躍の裏にあった知られざるストーリーを描き出していく。

 

感想

★★★★★

とても興奮した音楽の力って凄い。なによりもクイーンというバンドの偉大さに圧倒された。

(いつも以上に浅い語彙力と、勢いだけの文章であることをご了承いただきたいです。)f:id:osugi923:20181231222248j:image

 

クイーンの楽曲がもっともっと好きになる!

劇中に流れた曲の中で特にお気に入りなのは

「Fat Bottomed Girls」

歌詞は置いておいて、サウンドがクールでカッコいい。出だしの「Ah, 〜you gonna take me home tonight」のハモリが大好き。フェスならノリノリスイッチが一気に入る一曲。

「Under Pressure」

イギリスのミュージシャンのDavid Bowieの共作。これはPVと歌詞が好きで。映画「SING」で劇中歌でも流れていましたが、本作では勿論、絶妙に良いシーンで流れます。f:id:osugi923:20181231222259j:image

「Radio Ga Ga」

これは最後のライブのシーンで歌ってましたが、「Bohemian Rhapsody」からの、「Radio Ga Ga」が最高にカッコよくて、それでハマりました。

 

ラスト、ライブでの興奮が忘れられない!

この一言です。CMで流れてたりすると、あの感動と興奮が蘇ってくる。歌いたくなる。(しかし実際カラオケで歌っても、自身の歌唱力と英語の発音がうまくなくて絶望する)

ライブとかフェスに行きたくなりました。「フレディが生きているうちに一度生で聴けたらな」という思いがこみ上げてきては、いま好きなアーティストのライブにはもっともっと足を運ばなければ!と強く思ったり(そもそもチケットが当たらない問題)、音楽の力の素晴らしさを呼び起こしてくれたんです、クイーンは。f:id:osugi923:20181231222319j:image

 

ボヘミアン・ラプソディと時代

ボヘミアン・ラプソディを始めてフルで聴いたのは、海外ドラマ「glee」。「序盤のバラード、中盤のオペラ、終盤のロック、これが一つの曲だなんてめちゃめちゃカッコいいなぁ!クイーンは当時めちゃめちゃ攻めたバンドだったんだろうな」と思っていたら案の定。本作でもボヘミアン・ラプソディを巡ってレーベルとの対立がありましたね。当時でこそ、万人に理解されるのが難しかった、でもこうして沢山の人に愛される曲になったのがとても感慨深いですね。f:id:osugi923:20181231222350j:imagef:id:osugi923:20181231222401j:image

いつの時代も天才の感性というものに一般ピープルはついてこれず、何十年もしてから評価されるものなんてごまんとある。この手の映画を観ると「天才と孤独」は付き物で、素晴らしい作品を世に残した人たちの苦悩も垣間見れる。f:id:osugi923:20181231222339j:image

私も素晴らしいものに出会えるように、色々とアンテナを張って、凝り固まった感性にならないように日々生きておりますし、対、人となると調和も必要なので時には自分を偽ったりしながら生きています。

でも譲れないところは真正面からぶつかり、精神をすり減らしながらも、偏見に負けないで強く生きていきたいと思います。(なんの宣言でしょう)

本作を観て感じたことです。

 

とにかくライブシーンはどれも最高。映画でこんだけ興奮したので、実際に聴けたらどんなに興奮した事か。とにかくクイーンというバンドの凄さを改めて感じることのできた素晴らしい作品です。f:id:osugi923:20181231222419j:image